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「じっと手を見る」
2018年5月28日

四月上旬に図書館に予約してあった
窪美澄さんの「じっと手を見る」が読めました。



章ごとに語り手が変わる連作短編集は
介護に関わる世界を背景に、
日々の仕事や過酷な労働からの
将来の不安なども盛り込まれていました。

できることが増えていくのが成長で、
できないことが増えていくのが老化なんだ
。

なるほどと思いました。


生の終わりの決定権を誰一人持っていない

この言葉はとても重く受け止めました。


すべての章で手の描写があり
一章目では

手を握りしめた。「ほどかないよ」


六章では、9歳の発達障害の男の子を
勇気づけたくて手にひらに線をかき

これは、裕紀の星座。
裕紀の手のひらにこれがあるから、
絶対に裕紀は迷わない。

と、いうくだりにジーンときて
自分の手のひらをじっと見つめました。


ネタバレになるのでかきませんが
物語の終わりでも手の表現があって
その体温と生についてふれます。


ここのとこ読む小説に必ずと
言っていいくらいネグレクトを
受けた子供が登場するのですが
この小説ではネグレクトの加害者が
なぜそれにいたったのかということが
えがかれています。


初めて窪作品と出会った
「ふがいない僕は空を見た」です。



窪作品は、短編ごとに人称が
かわるスタイルが多いのですが
今回はさらに、章ごとに登場人物達から
受ける印象の変化が新鮮でした。

投稿者 rin5chan : 2018年5月28日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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