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「発注いただきました」
2020年5月30日

朝井リョウさんの「発注いただきました」は
企業からお題に沿ってのショートショートや
エッセイを集めた一冊です。



「蜜柑ひとつぶん外れて」のお話が好きです。
物語の中の純朴な女の子が遊び人の男性の
部屋に行く場面では何目線なのかわからないけど
心配で『早く部屋から出て』とさかんに願いました。

 

「十七歳の繭」は時に薄氷を扱うみたいな
思春期のヒリヒリする感じが描かれていました。
朝井さんの他の作品でも感じたことですが
男性なのにの女の子のこまやかな心の
動きを表現するのがとても上手です。

 

どの物語も登場人物がリアルで、過去に会った人や
できごとをポコポコ思い浮かべました。
話ごとに本人による解説&反省があって
その言い訳している感がなかなかおもしろくて笑いました。
中でも、角田光代さんの作品の素晴らしさに
繰り返し赤面するのですが角田さんの作品も
好きなのでそちらも興味あります。

 

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金澤syugenは、お急ぎ婚、こじんまり婚、
フォト婚、パパママ婚、カジュアル婚
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挙式サポート、ご自宅支度、和装コーディネート、
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「透明な夜の香り」
2020年5月27日

千早茜さんの「透明な夜の香り」は
薔薇の咲く季節から物語が始まります。



香りはもちろん草木や花々、季節が織りなす
自然の描写、色や音や味覚の描写も鮮やかです。

 

森の奥の館で浮世離れした生活は
神秘的で時々はコミカル感もあります。
それぞれの秘密が生々しく途中
怖くなったけど残酷になりすぎない
いい塩梅だったのでノンストップで読みました。
「香りの記憶は永遠」
読後の爽やかさったらなくオススメです!

 

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「雪と心臓」
2020年5月24日

生馬直樹さんの「雪と心臓」は物語の
終わりはこんなふうに衝撃的ですという
プロローグから始まります。



本編に入るとのんびりとした青春小説で
重松清作品が昭和ノスタルジーなら
平成ノスタルジーかしらん
っと、紹介文にあるミステリーという言葉や
表紙の印象とどうも結びつかない
そこが、謎って言えば謎かなでした。

 

ですが、終盤に近づくと苦手なバイオレンス色を
帯びてくるからどうしよう、やめようか、
困った、しかし、今更、、、、先も気になる
と、読み進めて終わりでは腑に落ちました。

 

40日ぶりの図書館開演だったので
嬉しくて一気読みしました。

 

PS
平成の流行り物など出てくる
「おっぺけぺ」って何だろう???
ネットで画像検索したら水鉄砲でした(o^^o)。

 

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「強き蟻」
2020年5月21日

松本清張さんの「強き蟻」は最終章での
ドンデンにつぐドンデンがパンチきいていました。



東京渋谷の高級住宅街の松濤や熱海を舞台に
悪女の大胆っぷりにドキドキします。

 

さて、松本清張作品の湿度と北陸の気候
例えば、にび色の空や日本海の荒波は
相性がいいのでしょうね。
「ゼロの焦点」「疑惑」「鬼畜」などでも舞台になり
映像化では、能登の断崖や兼六園を観ることができました。

 

先日、NHKで「黒い画集」ドラマ化では
原作がアレンジされ金沢で事件が起こる
設定となっていました。
ドラマでは能楽堂や武家屋敷、浅野川から卯辰山
片町スクランブルはセキビルからのアングルでした。
金沢人は住まいしているのに
「ここはどこそこ」とテレビや写真で
我が町を観るのが好きです、とても大好きなのです。

 

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映像化ならではの美しさや笑い
2020年5月17日

「お家で過ごそう」ということで
松坂桃李くん祭に続いてDVD鑑賞。
図書館がお休みにつきこんなに沢山の
DVDをまとめて観るのって初めてでした。

 

22017年に読んだ「羊と鋼の森」の原作本は
音のえがきかたが独特で好きです。



山崎賢人くんが調律師の役です。
はじける水の疱、揺らめく水紋、
風になびく麦の穂、瑞々しい苔、
揺れる葉、ダイヤモンドダスト、
大空の流星などなどの映像での音の表現が
美しいことでした。

 

2015年に読んだ「火花」は原作はそんなにでも
ない(すいません。私にはよく理解できずで)けど
菅田将暉くんが気になったので借りました。



菅田将暉くんと桐谷健太さんのかけあいが
自然で関西弁の軽妙さが楽しくて
時々は、吹き出しホロリともしました。

 

さて、9年前に読了の東野圭吾さんの「麒麟の翼」



映像化では麒麟像の前で死亡する
中井貴一さんの子供役が松坂桃李くんで
その部活仲間が山崎賢人くんだったのですね。
で、なんとなんと溺れたことから
障害を持った少年の役が菅田将暉くん
ということを最近、知りました。
菅田くんの演技は迫力ありました。
なんとゴージャスな高校生達だったのでしょう(o^^o)。

 

五街道の起点「麒麟の像」のもとで
希望を感じるラストシーンでした。

 

加賀恭一郎シリーズが好きで
6年前に日本橋あたりを聖地巡礼しました。



さらに、2年前は麒麟の翼を眺めながらの
(どっだけ好きやねん!)お茶をしまして
この写真は、その折にカフェからスマホで撮ったものです。

 



コロナが収束してまた自由に行き来できるように
なる日が訪れることを祈ります。

 

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「禁猟区」
2020年5月14日

乃南アサさんの「禁猟区」は警察官の不正を調査する
監察の仕事を描く趣向が変った警察小説です。



ちょっとしたことがきっかけで不正が始まり
気付いたら後戻り出来なくなってマークされる警察官。
人間の弱さや承認欲求が汚職、恐喝、証拠品の捏造、
情報漏洩、盗聴、ストーカー行為、殺人未遂など
狂気へと変貌してゆくのです。

 

映像化したら楽しそうと想像し主役の
若き女性監察官には吉高由里子さんが
良いのではないかしらん
っと、最終章ではその声に脳内変換。
コロナ自粛につき家で過ごしていたら
日常生活の中で自分なりの新たな楽しみを
見いだせるようになったわけです。

 

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「魔力の胎動」
2020年5月10日

東野圭吾さんの「魔力の胎動」は「ラプラスの魔女」
(2015年に読了。不思議なチカラを持つ高校生を
覚えています)の序章にあたるのだそうです。



一章から四章まではミステリーというより
自然をよむチカラと鋭い洞察力を持つ円華が
悩む人に「過去より未来」と発破をかけて
前向きに生きるように仕向ける
科学ヒューマンドラマという感じでした。

 

円華が「人は原子」と言います。

「世界は一部の人間に動かされているわけじゃない。一見何の変哲もなく、価値もなさそうに見える人々こそが重要な構成要素で、一人一人は無自覚に生きているだけだとしても、集合体となった時、劇的な物理法則を実現していく。人は原子」

コロナ以降、強く感じられるのが
普段、意識していなかったかたがたの存在で
仕事や生活は成り立っていたんだなぁと言うことでした。
そして、この状況の中で不自由さを感じつつも
生活ができるのはやはりみなさんの
おかげさまと感謝しています。

 

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松坂桃李祭
2020年5月7日

stay home&図書館も閉館
そこで、原作が好きな小説の映像化された作品の
DVDを順番に借りることにしました。
初回は、松坂桃李くん祭☆”



高校生の御園はどう考えていたのかな
「ツナグ」続編の「ツナグ 想い人の心得」
そして今回の映像化で思いは二転三転。
映像では季節が巡ったことを知らせる躑躅や桜の花が綺麗でした。

 



原作では笑わなかったけど、映像化ではワンシーン
桃李くんのコミカルな感じに吹き出してしまいました。

 

自宅のテレビ前のソファにこんな長く
座ったのはホント初めてでした。
読書は細切れでできるからこそ
家でも仕事&ちょっぴりの家事
そんな私の生活に最適な娯楽だったわけで。
映画を家で観ることは集中できず
むかないと思っていたのですが
今回、ゆったりとした時間があり叶いました。

 

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「夢を売る男」
2020年5月4日

百田尚樹さんの「夢を売る男」は
頭の回転が速く話術にも長けている主人公が
自叙伝や小説を本にしたいと夢を見る人に
詐欺まがいの自費出版を勧めるという
「感じ悪い」始まりでした。



人はなぜ書くのかや現代人の自己顕示欲
承認欲求なんかをなるほどーと読みました。
さらに、出版業会の裏側を覗き見た感じで
某文学賞のカラクリに「ほぉー」と合点し
思いあたる作品がないこともなくでした。

 

もっと簡単に楽しめるものがいくらでも
ある時代に読書する人が減るのは当然と。
けど、やはり私は紙に印刷された
文字を読むことが好きです(*^_^*)。

 

必要悪ではなくやはり夢を売ってるのかもと
ブラックコメディはハートフルな
終わり方で少しホロリとしました。

 

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「源氏姉妹」
2020年5月1日

今日5月1日は扇の日なのだそうです。
51で”恋”
「源氏物語」で光源氏に女性が扇を
贈っているからなのだそうです。



酒井順子さんの「源氏姉妹」は
光源氏とカンケーを持った女性たちの
独白が生々しく(もちろんあくまで妄想)
時々はプップップと吹き出します。

 

「幼女の頃にさらわれた紫上
義理の母なのに関係を持った藤壺」
って、犯罪だよね?
源氏の女性との交際年表があって
複数の女性と時期が重なること度々で
今の時代だったら
文春砲でひとたまりもないだろうなー
などと考えたりします。

 

ですが、時代を超えた艶やかなお話は雅なのです。
以前、市川海老蔵さんの「源氏物語」を観に行きました。
優美ではかなげでうっとぉ~り素敵でした。
女性はいいにおいのする優男に弱いです♫•*¨*•.¸¸♪✧

 

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「この街でわたしたちは 」
2020年4月28日

加藤千恵さんの「この街でわたしたちは 」
すれ違いがもどかしい4組の男女の恋愛未満のお話です。



恋に不器用で臆病な女性達に
「自信持って」と声をかけたくなる
そんな各章には短歌が添えられていて
絶妙でよき余韻を残してくれます。
彼女たちの胸のうちは懐かしくもあり
せつなく愛おしいことです。

 

〆の短編3つは、揺れながらも前に進めた
女性達の爽やかでちょっぴりドキドキなお話でした。

 

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「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
2020年4月21日

村田沙耶香さんの新刊は表紙がポップで可愛いのです。



表題作「丸の内魔法少女ミラクリーナ」は
バカ笑い度々☆”
可愛いいんですよ♥主人公が
コンパクトで変身して(外見変わらず)
物語を勝手に仕立てて嫌なことだって
元気に乗り切っていけるのがいい。
楽しくて好きなお話でした。

 

四本目の「変容」では、ファッションの
はやりが作り出されているように
人格のはやりも操作されているのかもと
想像して薄気味悪さを感じました。
いずれにしても人は外界からの影響を
受けアップデートされてゆくものですよね。
近未来ホラーと言う感じのお話でした。

 

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「去年の雪」
2020年4月18日

江國香織さんの「去年の雪」は、語り手が
次と次と変わり紡がれてゆくショートショート集です。



脇役だった人が違う章で主人公になったり
次には誰かの共演者になったり
さらに、語り手は時代が違っていたりもします。
カラスやシャボン玉が時空を超えるや
魂が彷徨って犬の毛の中にいたりはなんだか楽しいのです。

 

「言葉ってどこに行くのだろう」。
この物語では言葉が時空を飛び越えます。

 

子育てしている語り手の章では我が子の言葉を
「一つ一つが、特別な、輝かしい言葉たち」と。
子育て経験者にはわかるわかるですよね。
「なんとファンタジックな!」「え!哲学的!」
と、おさな子の話す言葉は楽しく愛おしく
ずっとずっと記憶に残っています。

 

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「綴る女」
2020年4月13日

林真理子さんの「綴る女」は作家
宮尾登美子さんの半生が描かれています。



家業が高知の芸妓娼妓紹介という宮尾さんの
生い立ちをNHKのドキュメンタリーで
観たことがあり興味を持っていました。

 

映画「鬼龍院花子の生涯」は花街(かがい)の
華やかさや理不尽さなんかが
艶っぽくも衝撃的で迫力ありましたね。
夏目雅子さんがとにかく美しかったです。
(今も日本の女優さんの中で一番好き\(^_^)/)
「なめたらいかんぜよ」の言葉は小説にはないそうです。

 

この本の中で宮尾さんは家業を
嫌っているだけではなく誇りも
自慢もあったと書かれています。
その昔の「使う側」と「使われる側」の
格差は想像以上のものでしょうから
使う側の宮尾さんには強い選民意識が
あったことだろうと思うのです。

 

「数奇な人生は宝」と宮尾さんは
苦しめられたその環境こそが
その後、書くことの糧になったと。
他の女性の作家さんの作品でも
例えフィクションであっても作中に
傷や痛みを思いばかれることがあります。
そういう心のヒダみたいなものに
ふれることができる作品が好きです。

 

奇しくも今日4月13日は宮尾登美子さんの
お誕生日だそうです。
宮尾作品、読んでみます☆”

 

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「たおやかに輪をえがいて」
2020年4月10日

窪美澄さんの「たおやかに輪をえがいて」 は
人生の折り返しを過ぎた主婦が主人公です。



衝撃的な事実を目の前に突きつけられることが
起こり、家族と距離をおきたいと
ふわりと一人で飛び出してゆきます。
そして、旅先で出会った女性に
自分と家族との関係は「共依存」だったのでは
ないだろうかと気づかされます。
信頼ではなく互いに甘えであり依存であったと。
友人の助けもあって主人公はどんどん
たくましく成長します。

 

結末がたおやかで素敵でした。
この先は、読者の好みで思うままに
描いていいよっていう柔軟な終わり方でした。

 

窪さんの作品は日常の生活の中での
心情描写が丁寧なので、すっと物語に
入り込めるので読み続けています。

 

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「1日10分のごほうび 」
2020年4月7日

「1日10分のごほうび」は8人の
作家さんが綴るほのぼのな短編集です。



田丸雅智さんの「海酒」が夢見心地になりました。
「梅」でなく「海」です。
酔うと懐かしい海が見えると言うのです。
「漣(さざなみ)がグラスの底に斑模様」
って、なんて素敵なお酒なのでしょう♫•*¨
私ならどこの海を選ぶのかしらと想像しました。

 

直島で一番高いところにむかって
レンタサイクルをこいでいた時
眼下に広がった瑠璃色の海。

 

鞆の浦の潮の香り(生臭くもあったけど、
嫌ではなかった)がする漁港で
「版画のような街」って感じたこと。

 

印象に残っている旅の思い出二つでした。
穏やかな凪の瀬戸内の海が描けるお酒がいいですね。

 

どのお話もあたたかくなれて好きでした。
速音読すると決めていたのだけど
度々、終盤にくるとささやきしゃべりからの
涙声になりました。

 

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「できることならスティードで」
2020年4月3日

「できることならスティードで」は
ジャニーズのNEWSの加藤シゲアキさんのエッセイです。



苦手だった祖父の死をきっかけに
自身と祖父、自身と父親、
父親と祖父との関係が違って見えてくる。
祖父の死後、父(祖父)のことを誇らしく
話す父親の姿に家族の本質を
知らなかったことに気づきます。

 

この章で認知症の祖父が自慢の孫(加藤くん)の
ことも忘れていたけど祖母を見つけると
「瞳を爛々とさせる」のです。
そして、「おばあちゃんの手は変わらず
あったかいのぉ」にはおおいに泣けました。

 

「小学校」の章で「学校に行く意義」に
ついてかかれています。
加藤くんが学校に行きたくないと言った日に
父親が一緒に過ごしてくれたことや
担任の教師が子ども達に辛い自身の体験を話し
大切なことを伝えるシーンに感動しました。

 

恵まれすぎにも見える彼が自身に「地元」が
ないことがコンプレックスであることや
令和を迎える時の少しのとまどいなどが
繊細にかかれていました。
好奇心も旺盛でその掘りかたも深いのだけど
せめすぎていないから読みやすいのです。
若いかたに読んでもらいたいです。

 

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「また明日」
2020年3月30日

群ようこさんの「また明日」は
ほのぼのとした昭和が描かれていて
ノスタルジーを掻き立てられました。



それほどの付き合いではなかった
五人の幼なじみが偶然に再会し
縁がどんどん繋がっていきます。

 

人生にはいくつもの岐路があって
選択しながら前に進み
時に後悔があり感動もあり試練もある。
そんな様々な経験をして大人になった
五人が出会いなおしたわけです。

 

小説の中で
「年を取ると嫌な人間が増える」って
あるのだけどそうかな?
若い頃、尖っていたあの子もまあるくなったし
警戒心が強かったあの子も自身の家族を
持ってからいい顔で笑うようになったしね。

 

このお話は、縁のある人とは
自然に出会うのだけど
縁のない人とは絶対に出会わない。
そういうのはあると思います、きっと。
あらためて、ご縁に感謝しました。

 

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「ポラリスが降り注ぐ夜」
2020年3月27日

「ポラリスが降り注ぐ夜」は
新宿二丁目を舞台にした多様な女性の恋愛を
巧みに絡ませたお話が繋がっていきます。



マイノリティに、こんなに多くの
カタカナ言葉のカテゴリーがあるのですね。
マイノリティが別のマイノリティを
差別するという現実があるのも知りました。

 

終盤の新宿の歴史も勉強になりました。
1989年生まれの台湾人日本語作家の
李琴峰さん、すんごいなでした。
あとがきも良く真剣に純愛をしている
女性達の幸せを祈り読み終えました。

 

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「桜とドクダミ」
2020年3月23日

「桜とドクダミ」は女性が心の奥深くに
小さくちいさく折りたみしまい込んで
いるような繊細な感情が描かれていました。



子どもの頃、暮らす環境に格差が
ありつつも仲良しだった二人が
20年ぶりに再会しますが
互いに違和感を募らせます。
大切にしている記憶も
一方は「そんなことあったっけ?」
だったり、記憶違いもあったりです。

 

心のうちに積もっていた思いを
二人が吐き出すシーンが好きでした。
言わないと伝わらないことってありますよね。
前向きなれる終わり方で読後感も良かったです。

 

成長とともにとりまく環境の変化で
馬があって仕方なかった長い付き合いの友と
しっくりこなくなる時ってのありました。
けど、また波動が合うときが来たら
出会ったらいいんだと思います。
縁がある人とは自然に繋がれると信じています。

 

平山瑞穂さんは初読みの作家さんで
当然、女性作家さんと思いきや
作家紹介でえー!男性?と驚きました。

 

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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
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「愛の色いろ」
2020年3月19日

奥田亜希子さんの「愛の色いろ」は
性別を問わず複数の相手と同時に
恋愛ができるポリアモリーの4人の男女が
穏やかに暮らすシェアハウスからお話が始まります。



20代の千瀬がしっくりくる人と出逢えたからこそ
「もっとたくさんの人と付き合ってみたい」や
「帰る家があるから、旅に出られる。それと同じだ」と。
なんだか浮気性の男性の言い分のようなのですが
この物語に出てくる人は信頼関係を築き
複数の相手と誠実に付き合っているのです。
嫉妬心や独占欲がなければ叶う
新しい愛のカタチであると言います。

 

千瀬が石川の出身なのですが友人の
方言が気になってしかたありません。
「今日って」を「今日ちゃ」って言うのです。
「ちゃ」は富山の方では?
「げん」もわからなくはないけど
石川のどこだろう?
あと、こちらの特徴として親しい人と話すとき
「て・に・は・を」を省略しがちなのですが
てにはををしっかり音にしています。
そんなわけで、一人ミルクボーイ
(コーンフレークの漫才の人)のように
「その特徴は石川や、石川しかない」
読み進め
「ほんな、石川ちゃうなー」
と、行ったり来たりするという
違った楽しみ方もしました。

 

千瀬が

晴れの日が少ない街に生まれたからか、
私はすさんだ雰囲気の歌が好きだ。

これは大いにわかります。
日本海側育ちの特徴ではないかしら。

 

あと、私はちょっぴりのヤキモチは
時には恋愛のスパイスだと思っています。

 

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「さいはての家」
2020年3月16日

彩瀬まるさんの「さいはての家」は
ネズミや蛇もでる古い民家に代だい
わけありの人々が逃げ場を求めるように入居します。



「はねつき」は駆け落ち不倫カップルのお話です。
男性は毎日、本を読むだけで一日を終え
女性は考えるということをせず生活のために働き続けます。
ですが、女性が男性に読み聞かせてもらっていた
小説を自身で咀嚼するようになると
自ら物事を考えるようになるのです。

 

「ゆすらうめ」がイチバン好きでした。
主人公とその同級生のヒットマンが暮らすのですが
認知症の母親を介護する様子が
なんとも優しく愛おしく泣きながら読みました。
映像化の際はヒットマン役には
EXITのカネチーくんがぴったりだと思いました。

 

良家の姉妹が親の呪縛から逃げる
「ままごと」ではなんの意思も持たないように
見えていた姉がたくましく成長します。
妹はそんな姉を「薄紙を一枚一枚
剥がすように変わっていく」と感じます。
逃げると言うより親と距離をとることで
成長進化できたのだと感じました。

 

「かざあな」は男性に育休があっても
小さい子どもを持って働く女性の辛さ
男性の苦痛もなるほどと読みました。
妻と距離と時間をおいたことが
二人のこれからのためには正解だった気がします。

 

最終章で大家さんが言う
「ちゃんと逃げて生き延びた自分を褒めなよ」。
時に逃げるという選択には勇気が必要で
よき判断であると。
頼りなげではかない五つのお話でした。

 

 

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「御社のチャラ男」
2020年3月13日

絲山秋子さんの「御社のチャラ男」は
チャラ男のまわりの人々の告白で綴られる短編集です。
チャラ男はお飾りみたいな存在にすぎず
内容は、告白するそれぞれの人々が持つ
時代への不安や仕事観や人生観が描かれています。



2018年から2019年までの「偶像」に連載とのこと。
36歳の男性の妻がオリンピック開催に反対していて
平成の最後の頃「絶対何か問題が起こる」と
三日に一回は言うのです。
この章にパンデミックって言葉がでてきて
ゾワっとしました。
コミカル小説と思ってお気楽に読んでいたら
さすが芥川賞作家さんでした。

 

24歳の男性が仕事中、上司に
「遊びじゃないんだぞ」と注意されると
「遊びならもっと真剣にやる」に吹き出しました。

 

このお話には、適当な人、
不満を持ち仕事をする人、病んでいく人、
問題を起こす人がなどなどでてくるのですが
私が仕事をご一緒する方々は
協力業者さんも含めて、仕事が好きで
大切に仕事の時間を楽しんでいる人ばかりで
無気力な人や不機嫌な顔をしている人もいなく
ありがたいことだとあらためて感謝したわけでした。

 

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「妖し」
2020年3月9日

「妖し」はホラーとファンタジーの
間にあるような10篇のお話のアンソロジーです。



窪美澄さんの「真珠星スピカ」は
こんな霊現象だったら歓迎するなぁ
と、ほのぼのとあったかくなれて
終盤は主人公を応援していました。

 

村山由佳さんの「ANNIVERSARY」は
主人公が以前の記憶を持ちながら
転生を繰り返します。
浅草寺のほおずき市や風鈴が叙情的に
描かれているのですが
読んでいて既視感覚あって
「え!?私もまさかの!人生を
繰り返している?」なんか思ったら
昨年「まつらひ」で読んだものでした(^_^;)。

 

乾ルカさんの「かぐわしきひと」の
桜の木の精は妖艶なことでした。
怨念の感情は人にだけあるものではなく
自然にも宿るものかと読み終えて
ゾワゾワひんやりとしました。

 

好きな作家さんが多くて読んでみたいと
思ったのですが初読み作家さんとの
出会いもあって、これアンソロジーのいいとこですね。

 

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「さんかく」
2020年3月5日

千早茜さんの「さんかく」を夜に読むのは危険です。
各章の食べ物の描写がとにかく魅力的で
炊き立て土鍋ごはんの藻塩のおにぎり
揚げだし茄子から出る油のアッチってな感じや
苺のつぶつぶや海苔のパリパリな食感などなど
もう美味しそうだったらありゃしない。

 

外食の章も楽しい。
おばんざいやさんのメニューが
酒飲みにはたまらんもの達で
こんなお店がうちの近所に
あったらいいなぁなんて考えたりでした。

 

恋人がいるのに学生時代のバイトの先輩女性と
ルームシェアするはいかがなものか。
二人の暮らしが臨場感もって描かれていて
古い京町家のうす暗さ
座敷のかび臭ささ
苔むす石灯籠ある中庭のながめ
土間の細長い台所からは出汁の香りが
立ちのぼってくるようです。



タイトルは「さんかく」ですが
三角関係ってのとはちょっと違う気がします。
三角関係に満たないから平仮名で
さんかくなのかしらん。

 

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「ドミノin上海」
2020年2月28日

恩田陸さんの「ドミノin上海」は
ポップな表紙が楽しげです。



このアウトローパンダは漢詩を詠むくらい賢いのです。

 

読みながら和歌山のアドベンチャーワールドで
みたパンダを何度も思いだしました。
「パンダバックヤードツアー」に参加したことがあります。
開演前から並んで(やるときはやるのです)
5組だけがパンダ舎に入ってにえさやり体験とか
できるチケットをゲットしました。

 

近くで見ると茶と黒(白黒ではない)の二色で
どでかくすんごい迫力!
体験ツアーでおやつをあげたパンダは
動きもあってまあまあ愛想ありました。
ですが、通路をはさんだとこにいた
パンダのやさぐれ感は、はんぱなく
「ワイは出番ちゃうし」ってな顔で
檻の中で笹を食べながら同時に脱糞も
しているというふてぶてしさでした。

 

出番のパンダは可愛い仕草で
愛らしいことこのうえないのです。



やっぱ、パンダは知恵がありそうです。

 

この時、生まれたてのパンダの赤ちゃんいました。



可愛くってかわいっくて赤ちゃんパンダ舎の前は
七往復くらいしましたね。
このボクは今、10才になっていて中国に帰ったらしいです。

 

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「夜はおしまい」
2020年2月25日

島崎理生さんの小説って
切なくなったり息苦しくなったりします。
「夜はおしまい」の四つのお話も
もの哀しく痛みを感じるものでした。



「雪ト逃ゲル」は雪の金沢を歩く
回想シーンから物語が始まります。
「雪の兼六園が見られて良かったね、
綺麗だったから」と道ならぬ関係の二人が話します。
「正方形に切り抜かれた金沢21世紀美術館の
天井から本物の空を見ていた」という
シーンではタレルの部屋から
にび色の空を仰ぎ見た気分になりました。
繊細な描写に冬らしい金沢の
独特の湿度も感じられるようでした。

 

四つの短編は深い闇をもつ女性たちの愛が
儚げで甘美に紡がれていました。

 

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「清く貧しく美しく」
2020年2月21日

石田衣良さんの「清く貧しく美しく」は
主人公の二人があまりにも弱気で善良で
それでも容赦なくイヤなことは起こるわけで
しんどくなって一度は読むのをやめました。



不器用な二人はお互いを恥ずかしがらずに
ほめ合おうという決まりを作り慎ましく暮らしています。

 

どんな立派なほめ言葉であっても
”芯にひとかけらの真実”がないと
成立しないはわかります!
お世辞になってしまいますものね。

 

「ネガティブ」「甘い」「向上心がない」とも
感じる二人ですが愛情を持ちより
些細なことも大げさにほめ合いながら
生きる姿は微笑ましいことでした。
弱いも強いに変えてゆけますように。

 

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「できない相談」 「おとぎカンパニー」
2020年2月17日

森絵都さん「できない相談」 は
「わかるわー」ってものから
「へ?」ってなものまでシュールで
ブラックな38のお話です。



人には何でもないような些細なことが
気になって気になってしかたがない。
それが、大マジメだったりするから笑けますね。

 

「クソテン」には共感できました。
私もちょうど秋にテンの騒々しさに
手をやいていたので。
あ、Windows10のことです。

 

「イマジネーションの檻」という関西弁で
象が主張するお話がとても好きでした。
ひょうひょうとしていてけだるげな動物園の
象さんに情もあってホロリときました。

 

続いてのショートショートは田丸雅智さんの
「おとぎカンパニー  日本昔ばなし編」。



以前、グリムやアンデルセンのアレンジの
「おとぎカンパニー」を読んだことがあり
ユニークで楽しい内容でした。
今回の日本昔ばなし編は
シニカルでビターな内容のものが多かったです。
「おむすびころりん水玉ころりん」が好きな
お話でした。
女子の胸のうちの思いにクスリと笑えました。

 

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「雲を紡ぐ」
2020年2月12日

伊吹有喜さんの「雲を紡ぐ」 は高校生の美緒が
くるまっていた赤いショールから始まる
もの作りのお話で、親と子、妻と夫、
家族の再生の物語でもありました。



「切れたってつながる。右と左の糸を
握手させて、撚りをかけれが必ずつながるって」
盛岡の町の人の優しさと手仕事を通して
美緒の心も溶けてゆくのです。

 

美緒の母親が最初は、病んでいると感じたけど
気づきがあってからは明るく
しなやかな女性になってゆくのです。
「私たち、尻尾のはえた蛙だったんだ」って
夫に話すシーンでは続く言葉にぐぐっと
くるのですがネタバレになるのでかきません。

 

美緒が手織りのホームスパンの
ジャケットを羽織って
「手で持ったときより、うんと軽い」と驚きます。
「良い職人の仕事は調和と均衡が取れていて
心地よいんだ」とお祖父ちゃんが言うのですが
この感じ、わかります!はたおり娘の
結城紬の着物を纏うと柔らかく暖かく
そして、軽くなっているのです。

 

お祖父ちゃんの暮らしや知識、ポツポツと
話す言葉がとにかくかっこいいのです。
自身の老いを感じているお祖父ちゃんが言う
「子どもと一緒に暮らした日々は本当に短い」に
うるうる涙が出ました。
息子の広志が「子どもがつくったものは
捨てられんと言った父の声がよみがえる」と
回想のシーンでは大いに泣けました。
お祖父ちゃんが幸せで良かった、本当に良かった。
終盤はテイッシュを抱えて読みました。

 

読み終える頃、気づきました!
栞紐がショールの鮮やかな赤色でした。

 

優しくて心地よいお話で、こういう本に
出会うと読書していて良かったなぁと思うのです。

 

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「リボンの男」
2020年2月7日

山崎ナオコーラさんの「リボンの男」は
子育てに専念する主夫である主人公が
自身を経済的に何も生み出さない
マイナス時給のヒモと卑下しています。



我が子に「おとうさんはねえ、
ヒモじゃなくてリボンだよ」と話します。

 

私にも経験があります。
休職して子育てしていると
自分が狭い世界でのみ生きていて
社会から置いて行かれるような
焦りを感じました。

 

仕事に復帰してからは、余裕がない時には
我が子が子供らしいおっとりさでいると
(子供って無駄な動きがあるのが
子供らしさなのだと今なら思える)
時間が無駄にされるような気がして
子どもを急かしたことが多々ありました。

 

今、子育て真っ最中の新郎新婦様へ。
宝のような今の時間を存分に楽しんでください。
子供に手がかかる頃は
人生でもっとも豊かで幸せな季節です。
宝のような時間だったと思うのです。

 

タロウとの散歩の時間が穏やかで好きでした。
河原の風景を脳内で描くことができました。

 

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「これでもいいのだ」
2020年2月3日

ジェーン・スーさんのエッセイ「これでもいいのだ」 は
あるあるな共感にあふれていました。



「行事で季節を迎えにいく」

金澤syugenそばの散策マップのような
ものが記憶にあって「あの道の木蓮が咲く頃」
「今年は鬼柚子がなる年」などなどと
公園やお庭へ遠回りしても見にいきます。
ああ、そっか私も季節を迎えに行ってたんだ。
最近は、用水のわきの水仙の花が咲き
消防署のお向かいで梅がほころび始めました。

 

「喜びはいつも新鮮だ」
「鮮度の高い人生保っていられる」

仕事柄、感動をいただくことが多く
例えば、自然栽培で蓮根を作りたいと
語っていた新郎新婦様が結婚後、夢が叶って
蓮根農家さんになって初収穫の蓮根を
とどけてくださったことあります。
結婚式後の新郎新婦様から暮らしぶりに
嬉し涙もしょっちゅうです。

 

「大人にだって、子どものしっぽが残っている。
誰かに安心させてほしくなるときだって、
背中をさすってほしくなるときだってあるのだ」

自分が描いて大人ってこんなじゃなかったなぁ
なんてこともちょちょいあります。
これでもいいのだってほっこりもできた一冊でした。

 

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「みちづれの猫」
2020年1月24日

唯川恵さんの「みちづれの猫」は猫とめぐりあい
ともに生きる七人の女性が主人公の短編集です。



「ミャアの通り道」は金沢に帰る主人公が
雪の越後湯沢駅で「はくたか」に乗り換える
シーンから始まります。
新幹線が開通する前のことがすでに懐かしい感じです。
東口を出て鼓門から武蔵が辻、橋場の実家へと
むかいます。
この地域の水気の多い雪事情を普段の冬なら
ホント雪はやっかいでこんな感じと読みました。

 

「運河沿いの使わしめ」のお話が大好きです。
心が弱っていると寄りそう猫が、その人が立ち直ると
次の人の所におもむく使わしめだと知るのです。
猫には高貴な癒やしパワーがあると感じています。

 

「約束の橋」の「猫好きは、すべての猫を好きになる」は
共感できます。
あたたかく優しく人生の最期が描かれていて大いに泣けます。

 

猫に出逢えて色んな感情を知ったんだなぁ
と、お空にいった我が家の
モコにゃんのことを思い出し涙。。。
猫好きさんにオススメの一冊です。

 

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「ツナグ 想い人の心得」
2020年1月17日

辻村深月さんの「ツナグ 想い人の心得」を読みました。



前作「ツナグ」では、あの世にいる
会いたい人について考え
今回は自分が死んだあと私を
思ってくれる人は誰なのだろうかと考えました。

 

前作のお話の中で、高校生の美砂と御園の章が
チクリと刺さっていた(え?こんな終わり方?
と、二人のやりとりを読み返しました)のですが
その美砂が一章にでてきました。
今回のその後がどうなるのかが気になるから
さらなる「ツナグ」の続編をかいて欲しいものです。

 

我が子を失った親の章が辛かったです。
どんな些細なことでも母親は自分を責めるものと
思うのでもう切なくて大泣きしました。
明るい未来が予想できる再会は清々しいことでした。

 

最終章では幻想的な美しい映像を
想像の中で存分に描けました。
「想い人や、大事な人たちと、同じ時間に
存在できるという事は、どれくらい尊いことか」
歩と同様に射抜かれる思いでした。

 

必要な人とは自然に繋がれる
すべての出逢いはご縁であると。
ウェディングという仕事柄もあって
実生活でも感じることです。
ご縁に感謝です。

 

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「私に似ていない彼女」
2020年1月10日

加藤千恵さんの「私に似ていない彼女」は
同僚、母と娘、姉と妹、友人同士など
さまざまな年代の女性と女性を描いた八つのお話です。



「切れなかったもの」は見えない鎖に
縛られた姉妹が怖いこわい。
ホラーです、結末にゾッとしました。

 

「お茶の時間」が好きでした。
それほど仲が良いわけでもなかった取引先の
女性スタッフ同士の再会のドラマは
実写化したらきっとおもしろいだろうなぁと感じました。

 

「皺のついたスカート」では泣きました。
母さんも人間、完璧であるはずもないのです。
実母と娘はみなそれぞれに
何か事情があるような気がします。

 

「あたしは恋をしない」は小学生の
女の子がグループにあわせなきゃな感じを
ちょっと懐かしく思いだしました。
思春期を過ぎてもあったなぁ。
女子同士の気をつかいあう
そんな少し神経質な感じは嫌いではありません。

 

繊細な文章にまあまあの早読みをしました。
人との距離感ってのは難しいですね。

 

作品には関係ないけれど中表紙の
紙質の手触り感がおもしろくって
何度も音をたててさわりました。

 

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金澤syugenは、衣装コーディネート、生家ご出立や
挙式サポート、フォトプロデュース、少人数様の結婚式、
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「着物憑き」
2020年1月5日

加門七海さんの「着物憑き」は怪談ほど怖くはないけれど
因縁めいた少しゾクッとするエピソードもあります。



「東と西」の着物文化の違いについて
かかれた章がおもしろかったです。
東と西を比べ、さらに関西でも京都と大阪ではまた趣が違うと。
「細雪」の映像化では船場のお嬢様の
お着物が豪華なことでした。

 

金沢も独特の着物文化があると思うのです。
裾をすぼめて着るのは東京風で
着物と帯のあわせかたは京都っぽく
礼装でも普段着でもなくおしゃれを
楽しむ感覚は大阪に近いです。

 

紬はそれを纏う持ち主の体温や皮脂などで
仕上がりが大きく変わる、紬は育てるものであるとかかれています。
私も結城紬を持っておりますが
軽くて暖かくてふんわりと身体になじんで
着るたびにその着心地の良さが増すようです。

 

吉き文様の着物に縁起の良い柄の帯、
厄除けの伊達締、祈りを込めた紐を結び、
日本人の美意識が育てた伝統の民族衣装を
次の時代に繋げてゆきたいですね。

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「どうしても生きてる 」
2019年12月30日

朝井リョウさんの「どうしても生きてる 」は
六つの短編に現代社会の生き辛さが描かれていました。



「そんなの痛いに決まってる」は
男性のプライドゆえに
苦しんでいる様子がまさしく痛々しいことでした。

 

男性であるが故の気負い
女性であるが故の理不尽さ
この作家さん、男性なのだけど
派遣社員や主婦、母親や妊婦さんまで
女性の心理描写がお上手でびっくりします。

 

「籤」はオススメです。
我が身を俯瞰で見る感じがおもしろいのです。
すべての人が自身の人生では
ヒーロー、ヒロインですから。
終盤、たくましく生きる術を掴み取った
ヒロインがかっこよかったです。
「こういう発想のかえかたはいい!」
と、ヒロインを応援したい気持ちがつのり泣けました。
どうか幸せになって欲しい
健やかであって欲しいと祈りました。

 

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「「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出」
2019年12月25日

「魔女の宅急便」の作者である角野栄子さんの
「「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出」は
自身の生い立ちや物語のできるきっかけ、
言葉への思いなどを綴ったエッセイです。



「言葉に心のはずむ音がある」
幼い頃の思い出の中の父上の
心の無邪気さと豊かさがなんともあたたかいのです。

 

見える世界と見えない世界の間を生きる
角野さんの感じ方が独特です。
例えば、器の表現でも愛情が伝わってきて
うっとりするくらいに素敵なのです。

 

あとがきで五歳の時に亡くなった母上の万年筆の
薄くなった文字を見たことをうっすら覚えていて
懐かしむ様子に涙がでました。
かさばらないカタチで思い出を残してあげるって
大切なことかもしれないとふっと考えたりしました。

 

思考が可愛いらしくって
こんな魔法のような言葉を紡げるって
やっぱり角野さんって魔女なのかもと思いました。

 

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「四角い光の連なりが」
2019年12月20日

越谷オサムさん「四角い光の連なりが」は
五つのお話しすべて音の表現が絶妙でした。



「タイガースはとっても強いんだ」は何度か
吹き出しました\(^_^)/
関西弁ってコミカルですから。

 

「二十歳のおばあちゃん」は
まさかのユメオチ?
っと、途中思ったりもしましたが
高校生の孫娘もそのおばあちゃんも
とっても愛想らしい(金沢弁かな^^)お人柄☆”
ファンタジックで好きなお話でした。
以前、ウチの坊主と大阪に用事で行った時
思い付きで奈良に弾丸したことを思い出しました。
奈良を楽しんで大阪駅に戻ったら
最終のサンダーバードはとっくのとうに
出発した後で指定券を持っていたのにカチコチの
座席の深夜の列車で帰ってきたことあります。
それも、今となってはよき思い出。
楽しかったなぁ(o^^o)

 

「海を渡れば」のリズムが好きでした。
本当に落語を聞いている気分で。
前座の頃、辛いと稽古に集中できることを

厳しいことに臨んでいる間は嫌なことを忘れられる。

なるほど、わかる気がします。
苦しい時、仕事に集中して救われたこと何度もあります。
人情話に春風亭小朝さんの落語を聞きに
行った時の越路吹雪さんの話に泣けました。

 

飛行機に乗れないのもあって鉄道は好きです。
大いに泣けました。
あたたかい気持ちになりたい時におすすめです。

 

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「祝祭と予感」
2019年12月9日

恩田陸さんの「祝祭と予感」は図書館に
予約してなんと二ヶ月待ち!
借りてきた日に一気読みしました。



前作「蜜蜂と遠雷」から時間が経っていたので
登場人物の詳細を忘れていましたが、
読んでいるうちに思い出してきました。

 

三枝子&ナサニエルの出あいの章で
「獅子と芍薬」で振袖を纏う学生の三枝子が
我が身の上等な着物は戦闘服であると話します。
海外のパーティに着付けできる
お付きの人がいるのかしらん?
長い髪は誰が結い上げるのだろう?
と、三枝子の言うところの「武装」はどうやって
仕上げられるのか気になりました。
すべての章で、やっぱ音楽を極められるのは
経済的余裕のある家の子だけなんだろう
と、感じていたところ
最終章の風間塵の天才ぶりは気持ち良かったです。

 

「袈裟と鞦韆」の章では前作にて課題曲の
「春と修羅」が誕生するまでを描いています。
宮沢賢治の「春と修羅」の波打つような文字が
音符の連なりにみえて楽譜のようであると。
なので、初版本というのを画像検索してみました。
(「銀河鉄道の夜」は読んだことがあります。
宮沢賢治は音楽も石も好きで
さらにノリ鉄だったそうですね。)
「この曲を、二人のケンジに捧げる」でウルっときました。

 

ヴィォラとの出会いの「鈴蘭と階段」の
章がとても好きでした。
縁のある楽器と引き寄せ合う
そんな必然の出会いは楽器に限らず
人と人にもあり
実体験としてよく感じるのは
花嫁様とお衣装
さらには、花嫁様とかんざし。
運命の一枚や
飾りがしっくりだと
引き寄せあったのだと確信します。

 

音譜が読めず楽器をひくことなどとてもとても
できない私だけど、才能溢れる若者たちが
生き生きと音楽を奏でるシーンは心豊かになれました。

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「猫をおくる」
2019年12月6日

野中柊さんの「猫をおくる」は
図書館の本棚で「猫」の文字が目にとまり
表紙の絵がきれいなので借りました。



登場人物がみんな優しくて、それぞれに
離ればなれになった大切な人がいます。
その痛み、寂しさ、苦しさを
猫に癒やされ続けるのです。
そして、のちに猫に守られていたと感じるのです。

 

猫との出会いを
「猫が見つけたのだ」
「猫が選んだのだ」
人間が猫に選ばれて縁あって
猫と共に生きるのだ
は、わかる気がします。

 

作中に何度も出てくる
「片目が見えないヨーヨー」
「タキシードキャット」が
ちょうど友から送られてきたばかりの
写真の保護猫ちゃんと重なりました。



左のひーちゃんは赤ちゃんの頃から片目を患っていて
右の子はまさしくタキシードちゃん\(^_^)/。

 

お話の中で猫の仕草が描かれていて
お空にいったウチの愛猫モコミチを
思い出し笑ったりジワっときたり。
モコミチのくたくたに柔らかい感触や
日向のにほいを吸いながら
一緒に眠った幸せを思い返しました。

 

辛い時悲しい時、猫に救われます
(猫動画好き^^v)。
穏やかな気持ちになれるお話達でした。

 

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「逃亡小説集」
2019年11月27日

「逃亡小説集」は、実際にあった事件が
モチーフの逃亡をテーマにした短編集です。



「逃げろ九州男児」は正直者で
騙されてばかりの男性が、警察に追われ
老いた母親を車に乗せながら
逃げまわっている時の回顧録です。
すべて失ったと感じている男性では
あるけれど「友情」があったことを
終盤に感じて救われました。

 

「逃げろ純愛」の女性教師と教え子男子の
禁断の恋は甘美で二人の交換日記は
夢見心地で切なくもありました。
が、大ドンデン!
最後の1ページでやはり吉田修一作品でした。

 

「逃げろお譲さん」は容疑者の
元アイドルが逃げるのです。
それまで仲が良かった人達からも
拒絶されるくだりが辛いのですが
後半は、コミカルでおっかしくって
それはワッハッハってな笑いじゃなくって
片方の唇の端が持ち上がるようなおかしさなのです。
元アイドルのファンの善良さが良かったです。

 

「逃げろミスター・ポストマン 」
氷点下の凍った氷の海を歩き出す
ラストシーンは唐突ではあるけれど印象的でした。

 

逃げ出してしまいたくなること
消えてしまいたくなることは
誰にでもあると思います。
けど、「時間って優しい」っていつも思うのです。
苦しいこと辛いことも時間がたてば
和らいで癒やされること多いですよね。

 

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「ツナグ」
2019年11月21日

「ツナグ」の続編「ツナグ 想い人の心得」を
図書館で予約したので、その前に読んでおかねば
と、「ツナグ」の文庫本を購入しました。



死者と生者をつなぐ使者(ツナグ)。
生きている人間が望み、死者が受け入れれば、
一夜限り、一生に一度、
死者の側も一人だけ
再会が叶うと言うファンタジー小説です。

 

結婚直前に彼女が失踪した話は
泣けました。。。
読後感は爽やかでした♫•*¨*•.¸¸♪✧

 

が、女子高生の友情を描いた「親友の心得」では
若い女子にありがちな残酷さにヒヤリとします。
近しい人への嫉妬、
自分の感情がコントロールできない苦しさ、
通ったみちゆえに、共感できるものもありました。

 

最終章、主人公のアユミが会いたい死者は誰?
気になるも小説の残りページは
わずかしかなくってこんなページ数で
描けるの?などとドキドキもあって
残りページの厚みを左手の指先で
確認しながら読み進めました。
とてもホッとしたキブンで終われて大満足( •ॢ◡-ॢ)-♡

 

闇を含んだミステリーですがあたたかくもあり
とても感動しました。
新作、早く読みたいなぁ
図書館の順番が来るのが楽しみです。

 

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「木曜日にはココアを」
2019年11月14日

昨日は小春日和の一日だったのですが
今朝は大嵐でしたね。
一雨ごとに寒くなって熱いココアの
美味しい季節になりました。



青山美智子さんの「木曜日にはココアを」は
それぞれの独立したお話が
日常のささいな出来事で繋がっていて
知らずに誰かの癒やしになったり
癒やしを受け取ったり、
そんな素敵なことが起こります。

 

各章にテーマカラーがあって
シドニーの町を描いた
オレンジとターコイズの章が好きです。
小説って自分の知らない場所に行けたり
経験できたりが楽しいですよね。
一生行くことはなかろう(飛行機怖っ)
色彩豊かなシドニーの街を
体感できたキブンです\(^_^)/。

 

明るい未来が予感できる穏やかな終わり方で
心に休息が欲しい時にまた
読み返したいと思いました。

 

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「極上の罠をあなたに」
2019年11月6日

深木章子さん「極上の罠をあなたに」は
四つのお話が便利屋で繋がっている
背徳のミステリーです。



政治家、医師、刑事、弁護士といった
登場人物が悪人ばかりでこういう裏社会が
あるのかしらん。
罠を掛けたつもりが罠を掛けられます。
便利屋が悪人たちを翻弄し小気味良く
悪事の連鎖が解きほぐされていくのです。
作者がもと弁護士さんということでの
臨場感もあるようです。

 

今回、興味深いのは深木さんの経歴です。
60歳過ぎての小説家デビュー、
それまでの経験を文筆活動にいかされていて
現在72歳で物語に鮮やか仕掛け
なんともかっこいい女性です。

 

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「魔法がとけたあとも」
2019年11月1日

奥田亜希子さんの「魔法がとけたあとも」は
病気の不安、容姿のコンプレックス、
家族との諍い、仕事の行きづまり、
人との距離の測り方に迷う、などなど
誰もが抱える日常の中の負の部分が描かれています。



若さや健康や美貌、可愛いかった我が子、
恋するときめき、順調にまわっていた仕事、
それらは、すべてある意味「魔法」であると。
魔法がとけたあとも生きていかなきゃいけないし
あとの時間の方がはるかに長くて辛いわけで。

 

どのお話もほんわかあたたかく
最後は晴れやかな気分になれます。
日常にありがちな悩みを抱える
主人公が一歩前に進む瞬間が描かれています。

 

追記
魔法がとけたあとも魔法の中にいた時の
記憶にはげまされることがあります。
幸せな瞬間の写真は大切ですね。
写真を見返すと宝石のような時間が
よみがえってきますから(*^_^*)。

 

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「ライオンのおやつ」
2019年10月29日

小川糸さんの「ライオンのおやつ」は
死をテーマにしているのですが
ファンタジー感もあってあたたかな気持ちになれる物語でした。



余命宣告を受けた33歳の雫が選んだ
終の住処ホスピス「ライオンの家」は
柑橘の香りがする瀬戸内の海が見える島にあります。

 

「生まれることと死ぬことは背中合わせ」と
言う言葉が印象的でした。
「入り口は反対側から見たら出口」と。
ああ、なるほど
と、心地良く腑に落ちます。

 

「生きることは、誰かの光になること」
すでに意識が遠のいている車椅子の雫が
大切な人に「別れの悲しみではなく、
美しい海と空と光の記憶」を残してあげたいと
葡萄畑に行くシーンはもう顎先まで水浸しになりました。

 

夕食後、読みだしたら止まらなくなって
最終章手前では、嗚咽になるくらいに泣いて
翌日、目が腫れあがりました。
あと、最期に食べたいおやつは
何かなってあれこれ思い出を取り出し楽しみました。

 

心を浄化したい時に、繰り返し読み返したいものです。
かなりのおすすめです。

 

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「スナック墓場」
2019年10月25日

嶋津輝さん「スナック墓場」は昭和の
懐かしい邦画を彷彿とさせる七つの人情話です。



表題作「スナック墓場」まさに、レトロな
場末のスナックが舞台の切なくなるお話でした。

 

一番好きなのは「駐車場の猫」です。
いつもの地域猫を見かけないと
不安になる主人公の気持ちわかります。
金澤syugenの通勤の道中
いつもの時間にいそうな子がいないと
どうしたのかな
誰かに保護されたのかな。
だったらいいのだけど
などと考えますから。

 

特別なことも起きず、各章は
結末らしくないぼんやりとした結末があって
きっとこんな日常がつづくのだろうなぁと
想像できる平和なお話しでした。

 

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「のっけから失礼します」
2019年10月21日

三浦しをんさんの自虐ネタエッセイ
「のっけから失礼します」は
ノリツッコミも軽快で何度も吹き出しました。



「心を動かされると、文章化したい」
すごくわかります!
私も感動すると稚拙ではありますが
文字にしたくなります。

 

しをんさんは、すごく知的なんだけど
子供みたいに脳内妄想がとまりません。
身近の出来事をいろんな角度から観察していて
日常に「あるかもね」くらいのことも
特別に楽しい出来事にしてくれます。
擬人化や比喩が秀逸で、例えば
オンボロな自転車を「うちのぼうや」と言い
まるでその自転車に意思が
あるたみたいに書かれているのです。

 

心がきれいな人しか見えないインクで
書かれた巻末おまけ、私には見えました!
和歌山アドベンチャーワールドの
楽しさはわかります!
坊主と開演前から順番ついて
1日20組限定だったかの
「パンダ舎バックヤードツアー」と
「イルカとふれあい体験」をゲット!
もてもてパンダの永明パパの勉強もして
ぐうたら感いっぱいのパンダ舎で
リンゴのおやつあげ体験しました。
イルカにイワシをあげてイルカの肌に
触れたらツベツベのゴム長靴の感じでした。
あと、フラミンゴの羽根は高貴な触感で
ペンギン撫でたら手が生臭くなりました。
人間がオリに入ったカタチの車での
サファリツアーでライオンにトングで
生肉あげるのはびびりできず坊主にまかせました。
キリンに歩道橋みたいな高いとこから
エサをあげるのは平和な感じです。
赤ちゃんパンダは、たまらなく
可愛くて5回見に行きましたっけ。

 

閉園までいたので動物や鳥たちが
各お部屋に帰って行くところも
見られました。
飼育員のお姉さんと歩くカピパラと
しばらく一緒でカピパラがトコトコ
先に歩いて違う通路に行きお姉さんに
呼び止められて「あ!間違った」って
顔が可愛いらしいことでした。

 

あと、飛行機が嫌いもわかるわかるでした。

 

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「縁 YUKARI」
2019年10月18日

小野寺史宜さんの「縁」は心がほっこりするような
五つのお話が繋がってゆきます。



笑顔がいいのは強い、泣き顔より笑顔、真顔よりも笑顔。

っていい言葉でした。

 

日常のイラつきや妬みや虚栄心、
人のココロの奥底に潜む闇な部分が
穏やかに描かれていて
嫌な気持ちにならずに受け止められました。

 

読後、最終章で主人公のもとに
靴を直しに来た人って誰だったんだろう?
って、読み返し、ああ、きっと!(*^▽^*)
そんな明るい未来を想像できる
終わり方をするお話は好きです。

 

ほんの少しの幸せが日々の励みになって
人は生きているんだなぁ。
人との縁はどこかで繋がっていて
大切に結んでゆきたいと感じました。

 

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「世話を焼かない四人の女」
2019年10月11日

麻宮ゆり子さんの「世話を焼かない四人の女」は
自分を強く持っている個性的な女性達が
元気に活躍するお仕事小説でした。



第一章では猫ちゃんがいなくなって
車にひかれていないか
いじめらていないか
ヘンなもの食べていないか
寒くないか、などなど一緒に心配しました。

 

この作家さん、初読みでしたが
描写が新鮮なのです。
例えば、日和さんがドイツパンを作るシーンでは
機械から取り出したパン生地を
「ぐにゃりと気を失った美少年のようだ」と言い
生地を寝かせた後は
「生気と艶を増していく」とまるでパン生地を
尊ぶべき命があるように描かれています。


 

空気の読めない斎木くんが全編に登場しますが
必ず水玉アイテムを一点身につけていて
水玉を好きな理由が
「命を表す水のしずく」であって
「規則正しい、幸福の象徴」と言います。
そして、疲れないか?ってくらい
自分自身の決め事をいくつもキチンと毎日守っているのです。

 

斎木くんに限らず適材適所、
それぞれの個性が理解され
発揮できる場所があったらとても
素敵な社会になるのだろうと感じました。

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「平凡」
2019年10月4日

無数の選択から成り立っている人生。
大なり小なり「たられば」を思うことがあると思うのです。



角田光代さんの「平凡」は、もしあの時
別の道を選んでいたらというお話でした。

 

表題作の「平凡」では、ずっと昔に
理不尽な別れたかたをした男性の人生を
「ど平凡であれと呪い続けた」と言う女性。
なんと強烈な!
が、それは「波乱万丈なんかじゃなく
平凡に生きていてほしい」と願いに近い
感情だったというのです。
別れた男性の今の暮らしが穏やかで
あって欲しいと知らず知らず願う女性にうるっときました。

 

むっつの短編集には、妬み、僻み、
恨み、嫉み、見栄、未練と人間味ある感情が
鮮やかに描かれているのですが
重たくもドロドロもしていなくて、
やっぱり今生きている時間が現実なのだ
と、読後感は清々しいものでした。

 

自分がこの選択をして正解だったと
他の誰かの評価じゃなくって
自分自身で思えたらと素晴らしい人生
だったと言うことですかね( •ॢ◡-ॢ)-♡。

 

表紙のデザインが牛乳石鹸の青箱の
猫ちゃん、決して平凡ではないですね。

2019年10月4日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「夏の騎士」
2019年9月30日

百田尚樹さん「夏の騎士」は、
共感できるエピソードもいっぱいの
ノスタルジー小説でした。



昭和時代の六年生のひと夏の冒険&
成長が描かれています。
小学生の男の子ってみんな
秘密基地を作りたがるのかな。
我が家の坊主も仲良し三人組で
基地づくりしてましたっけ。

 

友情と恋心のチカラは偉大で
力を合わせて困難を乗り越えていく
姿は清々しいことでした。
気付きで人は成長する
自己啓発本のように心にとめておきたい
言葉がいくつもありました。

 

夏の名残りのよな暑い日に読めて良かった。
セミの啼き声でなく鈴虫の音の
季節ではありましたが。
読後感は爽やかさ残る瑞々しい青春物語でした。

 

子供だけに見えた世界あったんだろうな。
いいお友達に出会えて良かったね。

2019年9月30日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「虹にすわる」
2019年9月27日

瀧羽麻子さんの「虹にすわる」は
夕飯後に読み始めスラスラっと一気に読みました。



慎重すぎる真面目な主人公と
感性というかノリで生きている後輩
二人のコンビネーションがつくりだす
日々は、ほほえましくもありました。

 

物づくりが好きな二人が
「座る人にぴったりの椅子」を
作りあげてゆく様子が金澤syugenが
ウェディングを創作する姿勢と
似ているとこがあると感じました。

 

モノづくりをする人のお話しが好きです。
心地いいオーダーメイドの椅子を
作り続けたという二人の夢が叶いますように☆”

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「空から森が降ってくる」
2019年9月23日

森の中の家で創作を続けている
小手鞠るいさんの「空から森が降ってくる」は
時々おとぎ話のような愛らしさを感じられるエッセイでした。



 

森にはなんと多くの物語が秘められているのだろう。

花が咲く感動
野生の生き物の愛らしさ
深い樹木の香り
さまざまな雪の色
季節を迎える感動と草花や動物との再会の喜び
停電や豪雪、猛暑、容赦ない動物の命の連鎖。
自然の非常や過酷さを受け入れて
逞しくもしなやかに暮らす日々が綴られています。

 

庭に植えた薔薇や睡蓮を鹿に食べられて
悔しがるのだけど野生の鹿が庭に
来てくれることを喜んでいたり
家のそばの池に来る熊の成長を
見守っていたりするのです。
小熊を連れて来たり恋人同士でじゃれあう様子が
熊もユーモラスで可愛い仲間のようです。
時々、ウルウルっとくるページもあって
あ、愛猫の思い出話はボロ泣きです。

 

「生き物の死体を見つけたら葉っぱで
包んで森まで運ぶ」そうです。
森で生まれ育った魂は
「森に還ってこそ成仏できる」というのです。
自然の優しさや懐の深さを感じ
心あらわれるエッセイでした。

 

追記

オレンジのかぼちゃはpumpkin
で、深緑のかぼちゃはkabochaなのだそう!
日本語が英単語になっていてびっくり☆”

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「ムスメからおとうさんへ。」
2019年9月17日

なかがわみどりさんとムラマツエリコさんの
「ムスメからおとうさんへ。」はイラストも
ほっこり愛らしいことです。



第一章では顔が水浸しになりました。
読みながら、思いだしたのは幼い頃、
夜中に熱を出した私を抱いて
小児科へと父と母が走っている光景です。
朦朧とした意識の中だったろうけど
鮮明に覚えています。

 

友達が家に来て父に会うと
「お父さんかっこいい」「お父さんきれいな顔してる」
って言われたこと、鼻高々だったなぁ♪
(私は、残念なことにちっとも父に似てやしない)
思春期は反抗しっぱなしでごめんなさい。

 

今、金澤syugenの新郎新婦様達と
お話ししていて素敵だなぁと感じるのは
親御様に感謝の思いをしっかり持っていて
素直に表現されているということです。
それぞれにカタチは違うのだけど
新郎新婦様達の思いをうかがうと
すごくあたたかで清らかな気持ちになれます。

 

一番最後に父と旅をしたのは、
紅葉の白川郷でした。

お蕎麦食べたね、
とちの実煎餅も
紅葉がきれいだったね。

永眠した日も、町に紅葉が降りてきた頃でした。
一番好きな季節を選んで旅だったんだと思えます。
父の思い出をあれこれ再生したくなる一冊でした。

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「かわいい見聞録」
2019年9月13日

益田ミリさん「かわいい見聞録」は
かわいいものへの愛が満ち溢れていました。



「駅弁のお茶のかわいさ」の章で
幸せな時間の象徴としてポリ容器のお茶が登場。
覚えていますとも!
小学生の頃、絵の具の筆を洗うのに
持ってくる子がいました。
新しめの容器だと「どっか旅行してきたんだな」と
なんだかまばゆく見えたものでした。

 

「コンペイトウのかわいい演出」の章では
お茶のお稽古の時間、瓢箪っぽい形の
振出(菓子器)をまわす時の
『何色が出てくるのかしらん』と
ワクワクした感じを思い出しました。

買って食べるというより、もらって「わっ、かわいい」と喜ぶお菓子。

わかります!金澤syugenの引き出物でも
金箔の金平糖は人気商品です( •ॢ◡-ॢ)-♡

 

イラストもシュール感と文章のリズムも楽しく
時々は懐かしさもこみあげるエッセイでした。
最後に作者の撮ったかわいいものたちの
写真の中に金沢の金花糖もあって嬉しかったです。

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「鎌倉うずまき案内所」
2019年9月9日

青山美智子さんの「鎌倉うずまき案内所」は
まずは鮮やかな藍色の表紙&裏表紙の
デザインでキュンときます。



令和から六年ごとに遡って昭和の
終わりまで六つの短編集が繋がっています。
その当時の流行りものが背景として
書かれていて「あったあった^^」や
懐かしいがいっぱいありました。
スケルトンのMACはウチにもありました。
その頃は、めちゃくちゃおしゃれなの
持ってんだなぁアタシと悦に入ってたっけ。

 

会社を辞めたくて悶々とする編集者、
思春期の息子を案ずる母親、
この人でいいのかな?と、結婚を迷う女性、
学校での人間関係に苦しむ女の子、
咲かない実りがないと悩む劇作家、
来しかたはこれで良かったのかと問う本屋の店主、
すべての章の主人公にどこか共感できて
中でも「つむじの巻」は泣けました。

 

私が夢にまでみた光景が描かれているのです。
我が子の小さい頃のことを思い出しては
もう一度抱っこしたいってよく思うのです。
脇の下に手を入れてフワリと持ち上げられた
あの頃、可愛かったなぁ♫•*¨*•.¸¸♪✧
夢でもいいからもう一度
抱きしめたいなぁ
いつまでも小さくて可愛い坊主であるはずはなく
成長は当たり前のことなんだけどね。
もう一度、あのふわふわなほっぺだったり
柔らかい髪のにおいをかぐことができたら
どんなに幸せなことだろうと妄想していました。

 

なつかしいって感情は、年長者への
ご褒美みたいなものだよね。
時がたてばたつほど、美味しくなる。


これ名言だと思いました。

 

人生にはぐれた感のある登場人物に
少しの奇跡がおきて気付きをもたらせてくれる。
優しい気持ちになれる良き小説でした。

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「五つ星をつけてよ」
2019年9月2日

奥田亜希子さんの「五つ星をつけてよ」は
ネット社会をからめた短編が六つです。



様々な登場人物それぞれに全幅で
共感できるということはないけど
日常のあるあるだったり
ズレを理解することが出来ました。

 

「キャンディ・イン・ポケット」は
思春期のほろ苦さの中の
ほのかな甘さが表現されていて
結末では、ふわっと優しい気分になれました。

 

「ジャムの果て」では、過干渉気味の母親を
疎ましく思う成人した子供達と
かわらぬ愛情ゆえの苦悩と孤独感の母親、
どっちもわかるわかるです。
子供はいつまでも子供じゃなくて
成長しているってことなんですよね。
結末は、ホラーでした。

 

「ウオーター・アンダー・ザ・ブリッジ」は
大人を信用できない中学生が大人になった時
過去の経験が蘇って来ます。
女の子が成長してゆく時の心情がよく表れていて
時々は若さゆえの残酷さというものを感じて
自分自身が通った道を思い出しヒリヒリしました。

 

私もインスタグラムだったり
こうやってブログもかいていますが
暗い言葉は文字にはしないってこと決めています( •ॢ◡-ॢ)-♡。

2019年9月2日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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緋の河
2019年8月28日

桜木紫乃さんの「緋の河」読了
やっぱ桜木作品好きだなぁって思えました。



幼少時から男である自身の性に違和感をもち
やがてゲイボーイとして生きていく主人公。
普通じゃないと感じるものを残酷に
排除しようとした時代に生きぬいた
その苦労は辛らつなものだったと思います。

 

女っぽくしなをつくっている体の小さい
主人公が啖呵を切るシーンでは
男言葉になってドスの利いた声で怒る様を
想像してスカッとした気分になりました。

 

母親の細って柔らかくなった白髪を
染めてあげるシーンに大いに泣けました。
それは、母さんのほうの気持ちにもなれるから。

「自分の生んだ子がどんな姿でも、誰かを幸せにしているのならそれでいいよ。」

母親の言葉にジーンします。
家族からさえも愛する息子を蔑まれることがあって
想像もできないほどの苦労が続いたわけで。
姉との里帰りで母親に記憶に深く残る
幸せな思い出を作ってあげられて
良かったって心から思えました。
物語は終始、優しい母さんと姉上の存在にホッとできます。

 

ラストシーン、沈む太陽をみて

赤く、朱く、紅く、より緋くー

小説には赤い紅、赤いヒール、
赤いスカート、真っ赤な薔薇
と、赤が印象的に射し込まれまれていました。

 

桜木さんの繊細な描写は
我が心にとどめて置きたい言葉が多く
引き返して二度読みするこも度々でした。
530ページ退屈することなく読み終えました。

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「生のみ生のままで」
2019年8月23日

綿矢りささんの「生のみ生のままで」は
一人の女性が一人の女性に
雷に打たれるように一目惚れするとこから始まります。



若さと勢いのある激しい恋を描いた上巻から一転、
七年を経て病の恋人に再会した下巻では
崇高な愛が描がかれています。
献身的に尽くす姿に胸を打たれ泣きながら読みました。

 

親御さんの「苦労する道を選んで欲しくない」
という親心も理解できます。
公にすると生きにくい関係であろうと察します。

 

ラストではちょいとはしゃぎすぎている二人に
「こらー!そんなことしゃだめだよぉー」って
声をかけたい気分にもなりました。

 

「どんな場所も、あなたといれば日向だ」
なんて素敵な言葉なのでしょう。
病める時も健やかな時も、
二人がずっと一緒にいられますように。

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「いるいないみらい」
2019年8月19日

窪美澄さんの「いるいないみらい」は
子供が嫌い、子供が欲しい、子供を失った
それぞれの事情で真剣に悩む人達が
五つの短編の主人公です。



 

「小さな花が集まって強い香りを放つ金木犀」
「ほおずきの実を鳴らす音」
映像、香り季節を感じながら読み進みました。

 

「小麦粉とバターとクリームの混ざったようなにおい」
のくだりでは生まれ育った家の
近くのパン屋さんの横の道を歩いた
私自身の子供の頃のことを思い出しました。

 

物語の主人公の子ども時代の
複雑な環境で育ったエピソードが切なく涙しました。
「選ばれなかった子供」でも、
良い出会いがあって前向きに生きていけるのです。

 

子どものいる未来、子どものいない未来
センシティブなテーマでありながら
深刻にならず温かい気持ちで読み終えました。
「トリニティ」に続きオススメです。

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「アンバランス」
2019年8月14日

加藤千恵さんの「アンバランス」は
冒頭からすでに怖いのです。



今まで読んだ加藤さんの小説は
青春にあるようなふんわりした題材が
多かったのですが、今作は
夫の不倫相手が乗り込んでくるという
キョウレツな始まり方でした。

 

信頼関係もあってある意味バランスの
とれた夫婦は互いに思いやっている。
けれども、本当のこと、一番大切なこと
伝えたいことが言えていなかった。

 

意識的に蓋をしていた感情が
どんどん広がってゆきそれを
押しつぶしてなくしたいのだけれど
うまくいかずさらに広がり不安になる
そんな、心理描写が繊細なことでした。

 

夫婦だから何も言わずとも
相手の思っていることがわかる
なんてことはあるはずもないのだから
ちゃんと伝えなきゃねと思いました。

 

結末はみなさんのご想像におまかせ的な
終わり方でしたが私は勝手に希望の
持てる未来を思い描きました。

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「百の夜は跳ねて」
2019年8月9日

古市憲寿さんの「百の夜は跳ねて」は
あんがい読みやすい作品でした。



主人公の語りの途中で挟まれる謎の声が
段落が変わることも、「」で囲まれることさえもなく
とにかくいきなり思考に入ってくるのだけど
不思議とスムーズに受けいれることができるのです。

 

老婆との不思議な出会いがあって
自身を落伍者だと思っていた
青年が老婆を喜ばせたい一心で
いきいきとしてくる感じが好きでした。

 

アンデルセンの「雪の女王」のごとく
格差社会の中で自棄になっていた
青年があたたかい心を取り戻してゆく
希望の持てる終わり方でした。

 

描写が細かく
考えたこともなかったけれど
そういうことあるかもね
と、腑に落ちることたびたびでした。
やはりテレビで観る通り古一さんって
おもろい人のようです。

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「もみじの言いぶん」
2019年8月5日

「もみじの言いぶん」は村山由佳さんの愛猫
もみじの視点でかかれたフォトエッセイです。



もみじのツンデレ感がなんとも可愛いいのです。
村山さんがしばらく留守にして帰ると
無視をするわけです、もみじちゃんは。
「思い知ったらええのや。うちが、どんだけ怒っとるか。」
本当、猫ってこういうとこあるよなーって
甘えっ子で生意気で自分が一番偉いんだって威張っている。

 

関西弁イントネーションのお話を
ネコメンタリーのナレーション声へと
脳内変化させて読み進むとさらなる臨場感です。

 

猫が亡くなった時、棺に湯たんぽのカバーを
入れたっていう村山さんの親心にポロポロ泣けました。。。

 

もみじちゃんの着替え(生まれかわり)を
待っている村山さん、こんなに愛されて
なんてもみちゃん幸せな猫なのでしょう!
関西弁の語り口がユーモラスで楽しいことでした。

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「旅ドロップ」
2019年7月30日

江國さんの「旅ドロップ」はドロップス缶のごとく
色とりどりの旅の思い出が詰まっていました。



旅先の空気が気持ち良かったから
土に馴染む履きものとして買った下駄を
今も新聞を取りに行く時とかつっかけていて
旅の楽しさが日常にも繋がっている感じがいいですね。

 

ナッシュヴィルのアイスクリーム店の章は
涙がにじむくらい優しさを感じました。
アイスクリームのフレーバーを「初めて」と
言ったことを誤解されるに始まり大丈夫よと
親子くらい年の若い女の子になぐさめられる
そんな、旅先の人とのふれあいはあたたかくて。
このアイス屋さんは、先日読んだばかりの
「彼女たちの場合は」に出てきました。

 

行ったことある場所や同じような経験が
登場した時も楽しいものです。
和歌山のアドベンチャーランドでは、
赤ちゃんのパンダの前を幾度も行きましたし
パンダ舎のバックヤードツアーにも参加したもんね♫•*¨*•.¸¸♪✧

 

どんなに楽しい旅でも家に帰ると
家があって良かったとほっとするという章では
帰る場所があって無事に旅ができたことに
感謝する感じは共鳴できます。
そんな気持ちになれることはとても幸せなことで
なんなら、そのために旅をするような
うん、そう、そうです。

 

学生時代に女友達と帰る日も泊まる場所も
決めずにお金が続く限りアフリカまで行こうとした旅で
一緒に感動したり互いに勇気付けられたり
こういう様々な経験が積もって
江國さんの小説が出来あがるんだなって
今まで読んだ作品を思い出すのも楽しいことでした。

2019年7月30日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「しゃぼん玉」
2019年7月26日

乃南アサさんの「しゃぼん玉」は帰る家も
頼る家族も仕事も友人もなく恋さえもしたことがない
絶望感のみで生きている青年が主人公です。



我が身を「何一つ持たず、ただ漂って
生きているだけの、やがてパチンと
消えてしまうしゃぼん玉」と感じており

「着地したら消えてしまう」
「人とかかわると消えてしまう」と
逃げることしか考えていない青年が
その日に帰る場所と洗濯された衣類、
上等ではないけど何だか心地いい寝具、
そして、自分を頼ってくれる人、
笑顔になって欲しいと願う人との出会い、
心のこもった食事をとることで
徐々に変わってゆきます。

 

田舎の情景描写も美しいことでした。
ことさら、水の音が臨場感を持って描かれていて
青年の荒んだ心にあたたかいものをもたらします。
例えば、田舎の家の雨音に耳を澄ませて
そのうち、雨音を楽しい嬉しい愉快と感じ
自分の中にこんな感情があったのだと驚く。
そんなことを考えながら眠りについた日は
きっといい夢がみられるんだろうなぁなんて
読み手も幸せなキブンになれます(*^▽^*)。

 

想像通りの展開でしたが、エピローグでは泣きました。
人は、誰かに愛されている、
誰かに必要とされているという思いで
希望を持って生きられるというメッセージをうけとりました。
方言があるからこその人物の個性を
想像できて読みやすかったです。

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「ふたたび蝉の声」
2019年7月23日

内村光良さんの「ふたたび蝉の声」は
何気ない日常や思い出の振り返りのような小説でした。



過去と現在を行ったり来たり
そこに、親が老いていく時の寂しさや
家族の病のことなども描かれています。

 

臨場感がすごくあってウッチャンって
いったいどんだけ数多くの経験してるんだろか?
と、感じました。
もちろん、小説がすべて作家自身の
実体験などとは思ってはいないけれどね。

 

ウッチャン本人が

知り合いの誰かと誰かを足して創った人物もいれば、
まったくの想像で創った人物もいたり……。

と語っていました。

 

舞台俳優の進をとりまく人々が
オムニバス形式で主役になり
場面が次々入れ替わります。
終盤、大泣きした章があって
(ネタバレになっては
いけないのでかけませんが)
ああ、理想の来し方行く末だなぁって思えました。
素朴な文章が読みやすかったです。

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「ひと」
2019年7月19日

「ひと」は短いセンテンスで読みやすく
大泣きはしなけれどウルウルしながら
あっという間にスイスイっと読めました。



健気で人が良過ぎて譲ってばかりの
主人公に「そんな無防備な」とハラハラしたり
いいことがあるとそろそろ嫌なことが
起こるんじゃないかとヒヤヒヤしたり
これ以上に辛いこと酷い目にあったら読めないな
なんて立ちどまることも度々あって。
けれど、目次が
一人の秋、一人の冬、一人の春、夏
なので、一人じゃなくなる、きっと
と、信じ安心して最後まで読めました。

 

悪いヤツ、嫌なヤツも出てくるけれど
イイ人が当たり前に淡々と現れる感じがいいです。
ホッとしたのは猫が苦手だった主人公が
猫をなでた描写でした。

 

ご縁が大事

「人材に代わりはいても人に代わりはいない」

ぴったりのひとに出逢うべくして出逢えると信じています。
ハートウォミング系やっぱいいですね。
初読みの作家さん小野寺史宜さんの
小説は爽やかな読後感でした。

2019年7月19日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「思わず考えちゃう」
2019年7月16日

絵本作家ヨシタケシンスケさんの
「思わず考えちゃう」は、ほのぼのとした
あるあるがいっぱいなのです。



中でも子育ての章の共感が心地よしでした。
「川遊びでぬれちゃって裸でシートベルト」
と、いうくだりに大笑い!
で!思い出した!
我が家でも裸にランドセルあったあった!
川遊びして全身ずぶぬれの坊主が
半ズボンは履いていたけれど右手にずぶ濡れTシャツ
ランドセルを半裸の上にしょっていたっけ。
あのランドセル姿は今も鮮明に覚えています。
「裸の大将?山下画伯か??」って思ったものね。

 

『今しかないのにもったいない』は
身に沁みる言葉です。
最近、よく思うのです。
あんなに可愛くておもしろかった幼い頃を
なぜもっと大切にできなかったのだろう
いっぱい楽しめなかったのだろう
余裕なかったなぁっと・・・・・
が、エッセイ読みながら
あ!そういう後悔は自分だけじゃないんだと思えて。
あと、我が子の幼い頃のことを宝物のように
度々、思い出している感じもです。
そんな安心感が心地よしの章でした(*^▽^*)

 

ゆるいイラストも楽しいエッセイは
どこからでもお気楽に読んで良いので
忙しい時の脳味噌リフレッシュにむいている一冊です。
あ、ウチの坊主もお、おにぎりが好きなんだなぁ(*^▽^*)

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「そして、バトンは渡された」
2019年7月11日

瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」は
音楽とご飯がなにかと良いアクセントになっていました。



一緒に食事をすること、会話することの大切さありますよね。
中島みゆきの「糸」を主人公の優子の
ピアノ伴奏で義理父が歌うシーンが好きでした。

 

優子が心に思う
音楽は心や体に入っていくだろう
というくだりがとても共感できました。
確かに、身体であっても心であっても
辛くて食事も励ましの言葉も受けとれない
そんな弱った時でも音楽に癒されること
元気づけられることってあります。

 

義理父が親になることは
未来が二倍以上になること」と。
子供を持つって苦労も増えて
心配事も二倍に増えます。
けどけど、確かにそれを超える幸せがあります。
あと成長の足跡も我が子の記憶は
鮮明さをとどめる宝で、何度思い返したって
あきることも色あせるもありません。

 

優子の結婚で反対する父親の姿に
リアルを感じます。
親も人なので無償の愛でありたいのに
「してやったのに」ってなことにもなりがちで
まぁ、どこの家もケンカしてまう
それが、普通。
家族を大切に想う愛情あればこそ
幸せになって欲しいからこその衝突。
どっちの気持ちもわかるわかる。
それを説得する婚約者
そう!結婚ってそういう努力があって
絆が深まることがあります。

 

世知辛く心が痛くなる報道が
多い昨今、善良な大人に守られている
子どものお話に和まされました。

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「マジカルグランマ」
2019年7月8日

柚木麻子さんの「マジカルグランマ」は
図書館の予約待ちの間に直木賞候補になっていました。



主人公の74歳の正子さんが先輩女優の
アドバイスでおばあちゃんらしく
外見を変えることから始まります。
自信家で自己中の正子さんの
頭は案外と柔らかく行動力もあり
SNSなんかも器用にこなすのです。

 

現実的では無い設定ではありますが
過去から現代への社会問題をからめながら
夢、存在価値を求めるサクセスストーリーです。
ご近所やお友達や家族もいい人に
囲まれていて良かったなぁって感じました。

 

年老いても成長できるんだ!
年をとることに悲観的にならず
いくつになっても
過去より未来のほうが大事
と、前向きになれるお話でした。

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「アタラクシア」
2019年7月3日

金原ひとみさんの「アタラクシア」は
登場人物の生活や行動がすべて刺激的で
暴力シーンではちょっと苦しく感じました。



恋人間も夫婦間も友人同士も
えらく難しい言葉で議論しあってて
私には経験ないなぁーと考えたりです。
ですが、相手に対して
嫌だと感じることやここが好きも
言葉にしないと伝わらないことがあって
良い関係を続けてゆくには
会話することは大事なんだと思いました。

 

章ごとに主人公が変わる長編小説で
一つ一つの章が確立していながら
それぞれの絡みかたがお見事で
登場人物達の表と裏の顔が
おもしろく描かれていました。
そして、迎えた最終章はホラーと言ってよいでしょう。

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「人魚の眠る家」
2019年6月30日

今日、6月30日は人魚の日なのだそうです。



「人魚の眠る家」は殺人もミステリーもない
新鮮な東野圭吾作品でした。

 

「心臓死と脳死」をどう受け止めるべきかを
深く考えさせられました。
我が子を事故で亡くす親の気持ちは
想像もできないものです。

 

「子供への思い」あればこその 母親の狂気、
ただ同じ立場になったとしても
とんでもない経済力がないと
このような展開にはなりようがないだろうと感じました。

 

脳死や臓器移植については
求めて知ろうとはしないことでしたが
移植医療や海外での臓器移植の問題など
分かりやすく理解出来て勉強になりました。

 

悲しく辛い話でしたが
薔薇のふくよかな香りが漂うようなエピローグは
希望が持てるものでした。

2019年6月30日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「トリニティ」
2019年6月27日

窪美澄さんの「トリニティ」は461ページ
現代、戦後、高度成長期やバブル期と
各時代の背景の描写も細やかなドキュメント風小説でした。



三人の女性がそれぞれ懸命に生きた姿に胸打たれます。
結婚、仕事、子供、さらには恋
得た物と手に入らなかった物があって
どの道を通っても後悔はあるのだろうと感じました。

 

がむしゃらに仕事をする母親に
愛して欲しいと心が満たされていないまま
成長した子息の語りのくだりが
泣けてなけて仕方なかったです。
子息が母親の生い立ちや
仕事を得ることの難しさも知ることから
自身が母親の影響を受けていることを認め
母親を許し愛おしさも感じ
さらに誇らしく思える時を迎える。
もう涙が溢れてとまりませんでした。

 

世代交代と栄枯盛衰
女の生き様、死に様が切ないくらい
見事に描かれていました。
2019年上半期読んだ中で1番でした。

2019年6月27日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「晴れときどき猫背そして、もみじへ」
2019年6月24日

村山由佳さんの「晴れときどき猫背そして、もみじへ」は
もみじちゃんの母親の真珠ちゃん、さらには
おばあちゃんのこばんちゃんとの出逢いも綴られています。



村山さんに家の猫ちゃん達は
なんとも自由に山で遊びカエルとか
食べていてその野生っぷりにびっくりします。
母猫こばんちゃんが我が子の真珠ちゃんとの
子離れのシーンにはとても驚きました。
そして、村山さんとこばんちゃんとの
再会シーンには大いに泣けました。

 

猫は野生動物なんだから
予防接種や避妊、去勢手術で命を
コントロールしてはいけないという
当時の村山さんの同居人さんの考え方
そして、不幸な猫を増やさないために保護する
どちらの意見も猫への愛があってこそ
こういうくだりでは真顔になって読んでいました。

 

我が家のモコちゃんはもともと捨猫です。
拾った方がいてその里親に
なったのですがとにかく我が家では
溺愛して育てました。
そんなわけでモコは過保護のヌクヌクの
生活にあぐらをかき外には興味ない様子でした。

 

ところが、モコが半年の頃の予防接種に
行く日に脱走したのです。
探しても探しても見つからなくって
一晩中泣きながら探したけど
会えなくて・・・・
明け方には、一人で生きて行くことを
選んだモコの幸せを祈りました。

 

すっかり朝になって、通勤通学の時間帯
空気を震わすみたいな声が
どこからかして、それは私にしか聞きとれない声で。
ぐるっと探したら、植え込みの中から声がする
よっぽど怖い思いをしたのか呼んでも出て来なくって。
そりゃー、びびりやもんねーモコは。
走って家に帰って、好きなキャッツフードと
マタタビとを持って並べてみたところ
そうっと警戒しながら出てきたモコの
首根っこつかまえて鞄に入れて家に連れて帰ったわけです。

 

あったかいお湯で洗って乾かして
一緒にゴロンとしたこと
一生の中で一番幸せなお昼寝でした。

 

世界中のすべての猫が幸せで健康で
穏やかに暮らしてくれたらと願います。

2019年6月24日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「ポルシェ太郎」
2019年6月20日

羽田圭介さんの「ポルシェ太郎」は
ハードボイルドと帯にはあるけれど
「おっちょこちょいの気づきまで」を
描いたお話という印象でした。



主人公がポルシェに乗ることで
仕事でもプライベートでも万能感を
持つようになるのですが
仮装通貨で1500万を失ったり
裏社会の男に危ない仕事をさせられたりとか
とにかくハラハラするのです。

 

SNSで承認欲求を満たす主人公がある時つぶやく

自分が、見られたい、見られていると
意識するものなんて、他人は全然見てないし
気がついてなんかいない。
反対に、見られているなんて
思いもしないものが、気にされ見られている。

という言葉はなるほどでした。
主人公が羽田さん本人に思えてしかたなく
ユーモラスでもありました。

 

車を持ったことがなくこれからもきっと
運転はしないけれど深夜にポルシェに
乗って首都高をドライブするシーンでは
きっと爽快なのだろうななんて想像しました。

 

追記
私は、徒歩や自転車なので毎日
季節の移り変わりを感じることが出来ます。
「あの庭で真っ白な紫陽花が咲く頃」
「ズッキーニの花、今日もみれるかなぁ」
と、毎日ルートを考えながら通勤は
身の丈にも合っていてけっこう楽しいものです。
キャットフードの個包装をかばんに
入れているので地域ネコちゃんとの交流もあります( •ॢ◡-ॢ)-♡。

2019年6月20日 カテゴリー: 気まま図書館 | 2件のコメント »

2 Comments

  1. 花奈恵 より:

    淳ねえさんと同じく徒歩&自転車生活になって、通勤途中によそのお宅の庭を眺めたり、いつも会う散歩途中の老犬にアイコンタクトしてみたり、結構楽しいものです(^^♪

  2. 淳ねぇさん より:

    わかる!お散歩のワンちゃんに会うと、心の中で「ワンワンちゃ~ん♪」とか声かけている。今の季節、夏野菜の花が鮮やかで、かがみこんで眺めたりもしますの(^_^;)

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「彼女たちの場合は」
2019年6月17日

江國香織さんの「彼女たちの場合は」は
ナイーブな17歳と社交的な14歳の少女が
置き手紙をしてアメリカを旅します。



思春期の子供を持った経験のある身としては
母親の気持ちになってしまうから
時にもう心配に押しつぶされそうになったりします。
危ない目にも嫌な目にもあい
これ以上、怖い事態になったら
読み続けられないと怯える場面もあったけれど
祈る思いで読み進めました。

 

472ページの長編は、二人がいろんな土地に旅します。
青い空や異国の街の雑踏
埃っぽさや、新雪だったり、風
料理の匂いなど描写が豊かで
時々は、一生行くことはなかろうという
(飛行機嫌いにつき)土地に
降り立ったような気持ちになれました。

 

いいことが起こると「チーク」って二人が
ほっぺをくっつけるお約束ごとは可愛くてしかたなく
こちらまでハッピーになれました。

 

出会っては別れるその土地の人々が
纏っている匂いなんかも伝わってくるような
そんなお話でした。

2019年6月17日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「おやつが好き」
2019年6月10日

坂木司さんの「おやつが好き」は
おやつ愛にあふれていました。



読んでいると愛おしいおやつの思い出達が
ポコポコと蘇るのも楽しかったです。

 

銀座あけぼのさんの「二十四節季花」が
美味しいのはもち米だからなのだと書かれています。



KENさん&TOMOさんからいただいた
二十四節季花は美味しく楽しんだあと
箱も可愛いくてお針箱にしました。

 

熊本の海苔のお菓子の「風雅巻き」章では
「ふわんと漂う海苔の香り」とシンプルなことが
いかに素晴らしいかが書かれています。



以前、智史さん&枝里ちゃんのお母様から
熊本産のお海苔を頂戴しましたところ確かには絶品でした。

 

お菓子を度々擬人化していて
「顔見知りのお菓子」として六花亭の
「マルセイバターサンド」が紹介されています。



法大さん&美穂さんから北海道旅行のおみやげにいただきました。

 

エッセイの中の問いかけで
「死ぬ前に食べたいおやつは」と。
小学生の頃、お茶のお稽古の時に
いただく吉はしさんの上生菓子は
子供心にも「日本イチ美味しい和菓子だ」
って確信していました。
季節が表現されている
和菓子は芸術だと思います。

 

高砂屋さんの嵐山も見た目ホロホロ
なのに、しっとりのあの食感好きです。

 

あと、おでかけ編では長町にある金花糖さんの
白玉&あんみつは絶対のオススメです!モグモグ。

2019年6月10日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「マスカレード・ナイト」
2019年6月4日

東野圭吾さんは、ガリレオシリーズ
加賀シリーズなど多く読んできたのだけど
マスカレードシリーズは初読みでした。



「マスカレード・ナイト」は、みなホテルを
利用する時、仮面をかぶっている
洗練されたホテルマンはそれを詮索しないということらしいです。

実写化されているため
新田刑事は完全にキムタクの声に脳内変換しちゃいます。

サイドストーリーの部分が人間味あって
不倫や隠し撮り、女性のマウンティング行為
そこから、脅迫や復習と物騒なことへと発展してゆきます。
バラバラに見えるエピソードつながりあっていく
展開は、期待したとおりです。

名言がふたつ。

「1度疑いがはれた人は信用される」

「時計が正確すぎると余裕を持とうとしない」

これ、カギになります。

さて、牧村緑役を検索しても出てこない。
エキゾチックな美人は
映画では出てこないのでしょうか?
気になる。。。。
どなたか知っていたら教えてください。

2019年6月4日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「大好きな町に用がある」
2019年5月28日

角田光代さんの「大好きな町に用がある」は
旅につてのエッセイです。



縁と愛の章で

土地と人は、人同士と同様の相性があり、縁がある。

そして

(その土地に)縁のある人は、ただ歩いているだけで
気持ちがしっくりきて、時間を
潰すなんて思いもつかないのだ。


なんか、わかる気がします。
で、私にとってしっくりきた場所は・・・・・
と、考えてみました。

飛騨古川の街はサラサラと
流れる用水の音に癒されました。
鯉も泳いでいるのです。

鞆の浦の版画みたいな街並の
潮のにほいも好きでした。
瀬戸内の凪いだ海は心が穏やかになれます。

さて、角田さんは自身を旅慣れていない
要領が悪いのだと言ったことを
書いているけれど度強はあるし
未開の土地で怖い思いしてもへこたれないし
すごい根性の持ち主だと感じました。

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「ままならないから私とあなた」
2019年5月23日

朝井りょうさんの「ままならないから私とあなた」は
イマドキなテーマのお話が二つです。



「レンタル世界」は結婚式で出会った
レンタル列席者の女性に恋をした主人公が
その女性をレンタルしデートします。
主人公が「レンタル業はおかしい」と言うと
女性はレンタル業は性的な接触は
厳禁であることを話し
「(風俗に行っている)あんたにだけは、
おかしいって言われる筋合い、ない」
と怒るくだりが痛快でした!
登場人物達が見栄や隠し事を取り繕う様子に
読後、切なさが残りました。

表題作の「ままならないから私とあなた」は
気の合う人、価値観が同じ人とだけで
暮らしが成り立つはずはなく
また、新しいものであってもよいものは
取り入れる柔軟さがあれば
生きやすいということかと感じました。

時代の変化は淘汰より共存

これ、名言だと思います。
最後まで読みきったあとに、だから
このタイトルなのねと納得できました。
オススメです。

2019年5月23日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「嘘と約束」
2019年5月20日

女性作家アンソロジー「嘘と約束」は
優しい嘘だったり、切ない約束だったり
それぞれのお話に謎が秘められています。



短篇なので展開もはやく
女性特有の繊細な心理描写が好きで
読み進めるのが楽しかったです。
毒もあります。

甘美ないくつもの嘘が繋がって展開する
近藤史恵さんの「ホテル・カイザリン」は
ぜひ、映像化して欲しいものです。
明治の洋館のホテルは各部屋が
シェイクスピアの戯曲をテーマにした内装や
薔薇のお庭や暖炉の質感など
空想するのもちと楽しい( •ॢ◡-ॢ)-♡
マクベス夫人は横顔の美しい女性に演じてもらいたいなぁ♫•*¨*•.¸¸♪✧

大崎梢さんの「いつかのみらい」は
けっこうなドンデンでした。

ミステリー、サスペンス、シリアスとありましたが
どれも読後感の良いものでした。

2019年5月20日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた」
2019年5月16日

「もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた」は
「NHKネコメンタリー猫も杓子も」の書籍化で
エッセイや小説が掲載されています。



村山由佳さんの章では、もみじちゃん目線の
関西弁イントネーションのお話を
ついついネコメンタリーの
ナレーション声へと脳内変化させて読みました。

 

柚月裕子さんがエッセイの中で
「人間は猫の下僕」と言います。
子猫の頃、手でご飯をあげていたら
今もお皿で出しても食べずに待っているというのです。
わかる!猫ってそういう偉そうなとこあります。

 

角田光代さんの小説「任務十八年」は
とにかく泣けました。

 

好きな作家さん達の愛猫への思いが愛おしく
写真も可愛らしいことでした。

2019年5月16日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「かがみの孤城」
2019年5月13日

辻村深月さんの「かがみの孤城」は傑作でした。



以前、途中まで読んで女子中学生のいじめが
陰湿で苦しくなってリタイアしたのだけど
気になる・・・ファンタジー系っぽいし、、、
で、再チャレンジ、やはりいじめの話は苦手ですが
描写が良き塩梅というか読みやすいのです。

物語の中盤で母親の思いにもなりました。
引きこもりで登校拒否の我が子への
心配は、苛立ちや怒りもあり
度々、自身を責めては悩み
時には機嫌をとったり
腫れものにさわるような態度であったりの
母親の戸惑い、葛藤が痛いほどわかるのです。

主人公の母親が我が子から辛い体験を
告白された時、我が身に起こったことより
苦しく切なかろうと察しました。
その後の子供を守るための毅然とした姿は
泣けてしかたなく両親の決意は勇気あることでした。

物語のトリックについては
早いうちから気がついていたことだったので
(ネタばれになってはいけないからかきません^^)
登場人物に知らせたような気分にもなりました(子供か!)。

終盤では「お話だから」と自分自身に
言い聞かせるも涙が洪水のようにあふれました。

人間関係の構築がうまくできないや
無関心や暴力や様々な問題、
矛盾に悩んでいる子供達にぜひ読んでもらいたいです。

「助けてくれる人は必ずいるから、大丈夫」

かつて私自身が通ってきた厳しく理不尽な
時間がフラッシュバックすることもありました。
ですが、554ページの中には色んな力強い
メッセージがこめられていて
この本に出会えてよかったと思えました。
大人も楽しめる素晴らしいファンタジーです。

2019年5月13日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「自分流のすすめ気ままな私と二匹の猫たち」
2019年5月9日

「自分流のすすめ気ままな私と二匹の猫たち」は
曽野綾子さんの生活スタイルに好感をもてることが多々ありました。



このエッセイの中で「母は北陸の漁港の出身である」と
何度かかかれています。

以前、曽野さんが戦争中に金沢へ
疎開していた折、秋に桜の柄の風呂敷を
使っていたら同級生に「なんと無粋な」と
言われ金沢の人の繊細さに驚いたと言う
エピソードを聞いたことがあります。

曽野さんにはあまり欲がないらしく
「奮発して買いたい」と唯一思うのが
毎日の食事に使う陶器であると
そして、中でも九谷焼がお好みだそうです。

風流人の曽野さんですが「マグは我が友」の
章で安物であっても自分だけのマグで飲み物を
とる時「心の個室を持てる気がする」とあり
なるほどと思うのでした。
「私たちは人ともいたいが、時には一人になりたい」
大部屋であっても、群れで行動をしなくてはならない時にも
お気に入りのマグは個人の世界を
守ってくれる存在だと綴られています。

器からこんな風にお話をふくらませる
曽野さんの思考ってすごいなぁってと思うのでした。

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「瞳のなかの幸福」
2019年5月6日

小手鞠るいさんの「瞳のなかの幸福」は
大人の女性のためのおとぎ話のようでした。

最終章では、守るべき存在である
愛猫との間に同じような経験が
私にもあるのでドキドキ読みすすみ
最後でホッして涙が出ました。



雑誌の副編集長をしている主人公の

話し言葉と書き言葉の区別がなくなり言葉が排水みたいに流されている

という言葉に共感しました。

かさばる紙媒体はどんどん減り
電子書籍化されていく昨今ですが
私は、電子書籍というものが読めません。
文字を映像としてしか見られず
作者の感情が入ってこないのです。
紙に印刷してある文字でなければ
思いが伝わってこなくて感動がないのです。
(ですので、トリセツなどはネットで
見ても理解できますの。)

その昔の少女マンガを
読み終えたような時の感じが蘇りました。

2019年5月6日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「海の見える丘」
2019年5月1日

くすのきしげのりさんの「海の見える丘」は
「絵のない絵本」です。



読み手の想像する力によって、
登場する人物の心情や情景は無限に広がります

と、作者が言うように紙面の白い部分から思い描けるのです。

丘の斜面から見た大海原、
赤い流れ星、
しなる大きな樹
希望に満ちた太鼓の音の響き、
木の息吹のにおい、
あたたかく清々しい風。

ほのぼのあたたかいメッセージが
こめられたお話が五つあり
中でも「優しさは受けつがれていく」が
泣けてなけてしかたないことでした。
ワンちゃんから猫にあげた優しさが
次の時代へと継がれていくのです。

新しい元号が始まり何か気持ちも
清らかになれるような今日の日に
紹介したいと思った大人の絵本でした。

2019年5月1日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ」
2019年4月19日

新井見枝香さんの
「この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ」は
現役書店員さんの日常が
ユーモアある早口な文体で綴られていて
「あるある」と共感できる章も「ないわー」ってことも度々ありました。



「パンツを脱ぐ女」の章では
「エレベーターの中でパンツをおろしたことはあるだろうか」
と、いう語りかけから始まります。



なんでパンツを脱ぐのかその理由がおっかしくって
挿絵にも大笑いしました。

「読まなくなった本は捨てるけれど」の章で
「紙に書いた文字は重たい」と始まり
今はいない人のメモを見つけたことからの
心温まるエピソードがかかれています。

『セブンルール』に出演した際の裏話や
新井賞をとったという桜木紫乃さんのことも
何度か書かれていました。
私も好きな作家さんです(*^▽^*)。

各章ごとに緩急があります。
そして、妄想力がもの凄くて
歯医者さんに恋をしたくだりは
私にとっての「あるある」でした。

その昔の思い出です。
歯医者さんへは、診療で汚れたら
嫌だからといつも母の服を借りて
テキトーな格好で通院していました。
が、ある日のこと、診察のあとイケメンな先生から
「いつもおしゃれですね^^」と声を掛けられたのです。
わっ!わわわー!

手足長くテニスを好み日焼けしていて
センスいいヨーロッパ車が駐車場に
停まっていましたっけ♫•*¨*•.¸¸♪✧
なので、次の診察の時は気合いれましたよ。
買ったばかりのダナキャランのブルゾン着てゆきました。
見る人が見たらわかるもんねー
ボタンにロゴが入っているから( •ॢ◡-ॢ)-♡。

なのに、なのに、めっさ張りきったのに
その日は、代診の歯科医さんでした。
チーン・・・・・・・。

2019年4月19日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「沈黙のパレード」
2019年4月15日

東野圭吾さんの「沈黙のパレード」は
最初のうちは少し退屈になったけれど
被害者家族やその周りにいる人々が
行動を起こし始めたあたりからおもしろくなって
440ページの長編がさくさく読めました。



ドラマの影響で、湯川学のセリフは
福山雅治さんの声で脳内アフレコしてしまうのです^^;。

人々の情が丁寧に描かれていて
それぞれが「誰かのために」という思いが
複雑に絡み合って事件が起きます。
真相が明らかになるにつれ
期待通りのどんでんに継ぐどんでん
さらなるどんでんがありました。

ガリレオ先生が真犯人に話した

「愛する女性のために、すべての罪を背負おとした男がいたんです。」

これ、「容疑者Xの献身」ですよね(*^▽^*)。
東野作品との出会いの作品で
もう最終章では大泣きに泣いたし
今も一番好きな作品です。

久々のガリレオ先生は
随分と人間っぽくまあるくなったなぁなどと感じました。

「沈黙のパレード」もきっと映像化されるのでしょうね( •ॢ◡-ॢ)-♡
トリックはもちろんのことパレードや
ガリレオ先生がアコースティックギター
(ギブソンというのだそう)を奏でるシーンなどなど
映画になったらきっと楽しいことと思われます。

2019年4月15日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「傲慢と善良」
2019年4月8日

辻村深月さんの「傲慢と善良」は
ミステリーと思いながら読み進むと
婚活、恋愛、SNS、ヒエラルキーと
言ったイマドキな闇が描かれていて
後半、俄然おもしろくなりました。



傲慢さと善良さというのは正反対の
ことのようで実は紙一重なのですね。
一つのシーンを男性側からと
女性側から書かれていて
そこには嫉妬や親子の歪んだ関係、
マウンティング、タナの違う人間同士の
折合わせない感じなどなど
複雑に絡み合っていました。

夜中に目が覚めて、先が気になって
いたものだからついつい手にとって
と、414ページあったけどすんなり読めました。

2019年4月8日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「ショートショートドロップス」
2019年4月2日

新井素子さん編集の
「ショートショートドロップス」は
女性作家によるアンソロジーです。



宮部みゆき「チヨ子 」が最高に好きでした。
宮部さんのファンタジー系は
「過ぎ去りし王国の城」が印象に
残っていますがこのショート小説にも
現代社会の問題や辛さが描かれていました。

何かを大切にした思い出。
何かを大好きになった思い出。
人は、それに守られて生きるのだ。

なんか、なんかわかります。

三浦しをんさんの「冬の一等星」も大人と子供の
友情が守られた感が良かったです。

淡い恋心と桜咲く公園と鯛焼き
辻村深月さんの「さくら日和」も
せつなくて可愛くて好きでした。

SFやサスペンス、ホラーも
ドロップのごとくな文章で楽しく読めました。

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「麦本三歩の好きなもの」
2019年3月29日

住野よるさんの「麦本三歩の好きなもの」は
「図書館勤務の麦本三歩のなにげない日常」と
紹介文通りおっちょこちょいな女の子の
穏やかでゆるーい日々のほのぼの系
だと最初は思いました。
けど、読み進むうちに「けっこう深い!」
と、感じるとこがいくつもありました。



三歩の好きなものが章ごとに
テーマになっていて
「麦本三歩は君が好き」では泣けます、かなり。

「(略)君を好きなままの私が、少なくともいるから、安心して、(略)」

この前後の言葉をかくとネタばれになるので
かけないのだけどとにかく感動しました。
三歩の友人を思う優しさは、なんてあたたかく
そして人を勇気づけられる強さがあるのでしょう。
三歩の成長してゆく様も好きでした。

まったりされたいかたにオススメの一冊です。

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「愛なき世界」
2019年3月26日

三浦しをんさんの「愛なき世界」は
料理人と研究者、登場する人々が
みな優しく愛にあふれています。



ビストロの大将は厳しいけれどいい人で
お芋を育てる教授の芋愛は微笑ましく
殺し屋風の松田教授の友情の話には
うるっときました。

苺のツブツブは種ではなく果実で
果実と思っていた香り良い赤い部分は
めしべの土台の茎のようなものだそうです。
そして、苺は野菜なんですって。

泉野には家庭菜園をされているお家が多くて
私は徒歩か自転車での通勤なので
草花から季節の訪れを知ることがあります。
特に野菜の花や実が好きで
苺の白い花を見つけた時は
なんと愛らしいことかと健気に育つ姿に感動しました。

「地球上の生物はみんな、光を食べて生きてる」

これいい言葉です、うつむかず前向きに
と、植物を通して愛について考えるお話でした。

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「ラヴレターズ」
2019年3月21日

「ラヴレターズ」は直木賞作家や
「え?あの二階堂ふみ?」のような
タレントさんの章もあるアンソロジーです。



壇密さんの恋文はダメダメな男性に
振り回されていた若き日が綴られていて
少し似たような経験がなくもないもので
懐かしい気持ちになりました。
あと、テレビでよく毒吐くコメンテーターが
案外と可愛らしい女性なんだなぁ
って思えたりもありました。
吉本ばななさんの恋文は好きでした。

さぁて、私が誰か一人にラヴレターを
かいてとどけられるとしたら・・・
5年前にお空に行った猫のモコちゃんに
とどけたいです。
今もモコを思い出さない日はありません。
ウチの坊主はモコと話す時には
お兄ちゃん風を吹かせていましたっけ。

モコにラヴレターをかきました。
良かったらお読みくださませ。

「お空のモコへ」

人間の勝手で捨てられたのに
人懐っこくってすぐにお兄ちゃんと仲良しになったね。

手のひらにのるくらい小さくて
初めての猫だったから風邪をひかせないようにと
母さんは膝掛けを腰に二重に巻いて
おヘソのあたりにモコを入れて仕事していたよ。
カンガルーの親子みたいだったね、きっと。
気持ち良く眠って目がさめると
小さな体ですばしっこくやんちゃもしたね。

可愛い顔してモコには狩猟本能があったよね。
母さんが歩いていると頭を低くして構えてて
狙っていることが目のはしに見えていても
気付かないふりをしてあげたよ。
腰を左右にふったあとピュッと走って来て
ベビーシュークリームみたいな小さな手で
母さんの片方のかかとを
チョンとつまんでシャッと逃げて行ったね。
母さんは「わぁ!」という驚くフリを忘れなかったよ。
そんな時「してやったり」と得意な顔していたね。

お兄ちゃんが夜遅くまで起きていた日は
嬉しくて嬉しくてナナメナナメに飛び上がる
ヘンテコな動き方したよね。
欽ちゃん走りのようだったよ。

一緒に寝ようと抱っこしてもしばらくすると
もういいよね?とばかりに猫らしい体制を
整える仕草のあと部屋から出てゆくんだよね。
それでいて明け方になると、
なんで一人にした・・・
と、メソメソ小さく啼きながら
部屋にやってきたね、毎日。
そんな時、可愛くってしかたなかったよ。

モコは母さんの感性をつちかってくれたと思っているよ。
ありがとう、本当にありがとう。

今も、自転車こいでいる時や歩いている時は
モコの可愛かったこと、
おかしかったことの思い出を取り出して
ニヤニヤ笑ったり
目に水の膜がはってきたりで
「いかんいかん」とこらえたりも度々。
怪しいヤツかもね^^。

モコ、ずっとずっと大好きだよ
いつかきっとまた会えるよね。
そしたら、抱っこしてモコのにほいを
吸い込んでお昼寝したいな
それが母さんの夢だよ。

母さんより

2019年3月21日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「まつらひ」
2019年3月15日

「まつらひ」は
古くから伝承される祭をテーマにした
六編の短編小説です。



「龍神まつり」が近づくと怪しい夢をみる
山あいのレタス農家に嫁いだ主人公の
「夜明け前」は夢おちと思っていたのに
二段仕掛けの妖艶な結末でした。


「分かつまで」は福島の「相馬野馬追」の
馬のことが書かれていて泣けてなけて
しかたありませんでした。
あの頃、原発事故のNEWSで
動物達が右往左往する姿に胸が痛みました。

「人間だって、自分の命ひとつ
落とさないように抱えているだけで精一杯で(略)」


瓦礫の間にはさまれて動けないまま、
食べるものもなく汚泥の中にいたという馬が
自分を置き去りにした人間たちを
拒んでいたのだけど、やがて人間を赦し
信頼が快復したという物語に感動しました。


浅草寺の「ほうずき市」のあかぬけた感じ
福岡柳川の「白秋祭」は幻想的で
岩手黒石の「蘇民祭」は
冬の寒さに凍える思いになりました。
それぞれ祭りの風情、街のおもむき
季節の移ろいの描写が好きでした。

2019年3月15日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「猫のためいき鵜の寝言十七音の内と外」
2019年3月11日

「猫のためいき鵜の寝言十七音の内と外」は
テーマごとにエッセイと俳句が綴られいます。



まず第一章、集団就職をする子供の章で
泣けるのです。
12歳とか15歳くらいで親元を離れ
自立しなきゃならなかったって
親もどんなにか辛かったろうと涙が出ました。
昔の人は大人になるのが早かったことでしょうね。


著者の正木ゆう子さんは毎年、
長野まで鷹の渡りを見に行くのだそうで
旦那さんから「去年も見たのに」と言われた時の

昨日ビールを飲んだら、今日は飲まなくていいのか。

という返しに吹き出しました。
桜も毎年観に行きますものね(*^▽^*)


正木さんは日本酒が好きで

ふだんはペンより重いものは持てない私が、
一升瓶だけは片手で持てるのが不思議である。

あははあはは!
わかるわかる!


そして、猫好きさんでもあって

この世に猫を抱いて眠るほど気持ちのよいことはない。

まったく同感です。
愛猫ちゃんをお布団の中で
抱っこして眠ったこと今も良き思い出です。


言葉も綺麗で心が穏やかになれる一冊でした。

2019年3月11日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「かけらのかたち」
2019年3月4日

深沢潮さんの「かけらのかたち」は
タイプの違う女性たちの連作短編で
自己承認欲求の闇を鮮やかにえがいています。



母親がSNSに公開している望む生き方に
窮屈さを感じながらよせてゆこうとする娘の安奈や、
妻が幸せな家庭を書いている体で
人から羨まれるような「自身の理想の家庭」を
BLOGに綴る夫などSNSに翻弄されている
人達が各章の主人公です。


六つのお話の中の「ミ・キュイ」に出てくる
杉坂さんという60歳くらいの女性の
「女としての始末の付け方」について語る
源氏物語の読書会のお話は素敵でした。


最終章で

「人からどう見られたいかでなく、自分がどうありたいか」

安奈の気づきにホッとしました。


深沢潮さんは「かっぱーん」を読んだことがありますが
現実にありそうなゆえに背筋が凍るくらい怖い話でした。


マウティングは自分のまわりには
実生活でもないです、たぶん。
私もインスタグラムなどしていますが
SNSで卒業新郎新婦様の暮らしや
お子様の成長を知ったり
よそのお家の猫ちゃんみたり
花の便りを知ったりと穏やかなことです。

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「珠玉」
2019年2月26日

以前、彩瀬まるさんの
「眠れない夜は体を脱いで」
「桜の下で待っている」などを読み
好きな文体だと感じる作家さんだったので
図書館に「珠玉」を予約して楽しみにしていました。



ですが、最初のほうは小間切れに
語り手が前ぶれなく変わるので
「え?だれ?目線?」
と、見失う感じになって
読みにくく、少し戻って読み返すと
「ああ、なるほど」でした。
黒蝶真珠目線なんて考えもしなかったのです。


祖母が美貌の偉大な歌姫であることが
プレッシャーで自身の外見や才能に
コンプレックスを抱く女性が主人公です。


読んでて、昭和のスターの祖母の
設定に山口百恵さん、中森明菜さんがよぎりました。
読後、参考文献を見て納得でした。


本物と偽物の違いについてお話は展開します。
樹脂パールが黒蝶真珠に話す言葉

それ自体の価値は大したことなくても、
自分の味方だって強く思えるものが
鞄に入ってるだけで、ずいぶん頑張れたって。

偽物であっても本物であっても、
その人の価値観次第で珠玉になるということでしょうか。


誰もが大事な「珠玉」を
持っているはずと教えられるお話でした。

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