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「私の容れもの」
2017年3月4日

角田光代さんの「私の容れもの」はご自身が
年齢を重ねていくことで感じる様々なことを
綴ったカラダにまつわるエッセイです。



このエッセイの中でとてもとても好きな
くだりがありました。

その人とまず認識するのは顔や体型だ。
けれど親しくなっていくうちに、
その顔や体つきに、
私たちはべつのものを見る。
あるいは、顔や体つきを介して、
べつのものに触れる。
それはおそらく、
その人の核とか芯のようなものに違いない。
個性や品性ではない。
加齢も経験も、何ものも手出しできない、
増えることも減ることもない不変の何か。
そうしたものを、私たちはだれしも持っているのに違いない。
親しい人ほど、その部分を見るようになるのだ。
だから、何年会っていなくても、
何年経過していても、すぐわかる。
町ですれ違っただけでわかる。
まったく変わっていないように見える、
のではなく、事実、まったく変わっていないのだ、
というのが、私の仮説である。



映画「ニュー・シネマ・パラダイス」で
主人公のトトがずっと愛おしく思い続けていた
エレナと30年ぶりに逢えたシーンを思い出しました。
車の中で、トトがエレナを見つめて
「君はかわらず美しい」と言うのです。
エレナの姿かたちではなく
その、内面をみているのであろう主人公の
心からの言葉に滝のように涙しました。


初めてこの映画を観たのはもう随分と前ですが
大人になったからこそわかる感情
(決して辞書にはない)に包まれました。
今かいていてもウルウルきます。。。
大好きな映画です。


角田さんの書くエッセイが好きです。
私も胃腸の働きが鈍くなって
お酒に弱くなったことは残念、
自転車こいでも坂道をいっきになんて登れない。
なので休み休み登るのですが
そういう時、ふいに
用水のキラキラとした光の粒だったり
草花の息吹を含んだ風の薫りだったり
木々の葉すれの音だったり、と
今までと違った興味や感動も増えたから
歳を重ねることは悪いことばかりじゃないな
っと、思うのです。
きっと、きっとそうですヽ(^◇^*)/。

投稿者 rin5chan : 2017年3月4日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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