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「裸の華」
2016年9月21日

桜木紫乃さんの「裸の華」は、北海道の冬空の
ダークな雰囲気からお話が始まります。



主人公のストリッパーのノリカが
自然体で風にさからわず生きるのです。


「風って逆らわずにいると、いつかいい場所へ着地させてくれる気がするの」(略)
道なりに真っ直ぐ歩いて来た。
曲がり角の次に現れた景色にも道はあって、
自分は風にのってその道をしっかりと歩いて行けばよい。(略)
ものごとには流れてゆきたい先があるのだと、今ならはっきり分かる。

自分も風に吹かれることにしてみた。
そうやって生きてきたし、これからもそうなのだ。

つま先が示した場所へ向かう。
そんな思いで走り続けてきた。
それでもやっぱり瞳はいつも光を探していたはずだ。



読み終えて思ったことは
登場人物がみんないい人だということ。
「老い」「病」「零落」「困窮」が描かれ
扱っているテーマがえらくダークなのですが
決して暗くならない。


結末「自分ならどうするだろう」って考えた時
「なんでだろ?」と
まったく共感できずでした。
想像できない人生がある
だから、読書っておもしろい。


桜木さんの作品は、「ホテル・ローヤル」(直木賞)
「それを愛とは呼ばず」「霧(ウラル)」と読みましたが
いつも冷めた感じで性も恋愛も見ています。



今回の作品では、ストリップのことや
音楽のことと桜木さんの知識がすごいなって驚きました。
ご本人がストリップを観るのが趣味なのだそう。
なんかかっこいい女性ですね。


先輩の踊り子がショーのラストに選んだ曲
「八代亜紀のフライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」、
どんな感じかなとYou tubeで聴いてみました。
八代さんのハスキーボイスは、けだるくて雰囲気ありました。

Fly me to the moon♫•*¨*•.¸¸♪✧
私を月へ連れてって♫•*¨*•.¸¸♪✧

投稿者 rin5chan : 2016年9月21日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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