| 「ボイルドフラワー沸点桜」 | 2018年4月15日 |
「ボイルドフラワー沸点桜」を
桜が満開のころに読みました。

物語は現代と25年前が交互に描かれます。
バイオレンス系が苦手で
読むのをやめようかと
何度か思ったのですが
冒頭に、現代の穏やかな生活ぶりが
描かれていたのでハッピーエンド約束の
保険あっての安心で読みすすみました。
クセの強い女性二人の逃避行で
兼六園も出てきますよ。

先日、石川門にてスマホで撮った桜です^^。
この作品で日本ミステリー文学大賞
新人賞受賞された北原真理さんは
主婦と知りびっくり!
キルビルみたいな格闘シーンや
風俗のシステムや闇社会の陰湿な感じを
どうやって知ったのだろかって思いました。
結末は「だーいどーんでんがえし」ありです。
あと、作者が本当に海が好きなのが伝わってきました。
ハードボイルド小説で硬い表現が
続く中、海にかかわる描写だけは
柔らかく優しげでしたから^^。
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| 「春待ち雑貨店ぷらんたん」 | 2018年4月9日 |
昨日の朝、カチカチって音がして
まさか?と窓の外を見ると霰でした。

雷もなって、冬に逆戻りしたみたいです。
桜満開の丘は一瞬にして白の布を
芝生にひきつめたようになりました。
さて、春っぽい表紙にひかれて
京都のハンドメイド雑貨店を舞台にした
「春待ち雑貨店ぷらんたん」を読みました。

著者の岡崎琢磨さんは、1986年生まれ男性です。
女性の孤独や痛み、苦しみなどを
繊細な表現されているのに感心しました。
主人公の巴瑠が相手の表情を読むとか
状況を自身の細やかな感性で推察してゆきます。
巴瑠が理香子に悩みをうちあけられた時
何とぜいたくな悩みだろうか。
と思ってしまう。
だけど、その思いはみずから否定したい。
理香子をせいたくだと見なすことは、
自分のほうが劣っていると認めることにほかならないからだ。
こういう考え方があるんだなって思った。
完璧な人間なんていやしないし
人を羨んじゃーいけないですね。
想いに寄り添って謎解きをしてゆく感じで
読後はあたたかい気持ちになれました。
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| 「すべての始まり」 | 2018年4月3日 |
吉本ばななさんのほのぼとしたエッセイ
「すべての始まり」を読みました。

四月は色んな始まりの季節ですね。
昨日の夕方、陸上競技場に行ってきました。

始まりの季節の花、桜が満開です。
右上に色鉛筆の白ですっと描いたような飛行機雲です。

年度替わりの時だからか部活の生徒さんも
少なくて静かでした。

足元にも健気な花。

ぐるっと時計回りにゆっくり一週しました。

桜の額縁の中に山です。
毎年、自転車でこのグランドにお花と山を見にきます。
自然はすごいなぁと感じます。
変わらない命の繰り返しがあって
その都度、私達をこんなにも
感動させてくれます。
さて、「すべての始まり」には
ばななさんらしい言葉がたくさんあって
こういう考え方好きだなって何度も思えました。
自分が自分であることは、一回だけの宝物だ。
生まれかわれたとしても今の
私じゃないんだなってことですね。
始まりの時、みなさんにも
素晴らしいスタートがありますように。
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| 「海馬の尻尾」 | 2018年3月24日 |
荻原浩さんの「海馬の尻尾」を読みました。

どこか滑稽さのある荻原作品ですが、
やくざな暴力シーンの描写が
リアルで残虐すぎでした。
作者は、どこでこういうシーンや
言葉を学んだのだろう、
菅原文太作品をさんざん観たとか?
ファンタジーをかいていたその人とは
思えなかったのですが
何かユーモアがあってその独特な
リズムで嫌悪感なく読めました。
アル中の主人公は海馬の異常で
恐怖を感じなかったり、
人の表情が読めないために
共感することが出来ないとされています。
主人公の脳が新薬と少女との出会いで
他者への共感能力を持てるようになります。
極悪非道な主人公の心が
柔らかくなっていく感じや
日々の生活の中で感情に
色彩を帯び鮮やかさが増してゆく
過程がおもしろかったです。
映画になったらおもしろそう!
けど、きっと、間違いなくR18指定だな。
もし映画化するならラストは、
少女と母親が一緒に暮らせていますようにと強く願います。
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| 「口笛の上手な白雪姫」 | 2018年3月15日 |
急にあたたかくなって
春が芽吹く時のはぜる音が
聴こえてくるようです。ワクワク
声や音にまつわる八つの短編集
「口笛の上手な白雪姫」を読みました。

「先回りローバ」では
「僕の声って、どんな形?どんな色をしているの?」
そんな風な不思議系のお話が続きます。
「仮名の作家」では
何が書かれているかはたいした問題ではなく、
私にとって重要なのは、どんな声で語られているかだった。
声は、言葉以上に
その人の本質や思いが感じられます。
「一つの歌を分け合う」が一番
好きなお話でした。
最後の一音が劇場の高みに響いてゆき
やがて一点に吸い込まれていった。
ミュージカルを観たあとの
感動と高揚感を思い出します。
客席もひとつになるような
あの幸福感ったらないです。
小川洋子さんの作品は直木賞の
「博士の愛した数式」が
あったかくて優しくて
不思議で大好きなお話でした。
今回の作品はさらなる
秘密めいていて幻想的な
お話が綴られています。
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| 「人生の旅をゆく 3」 | 2018年3月10日 |
卒業入学のシーズンですね。
新郎新婦様のお子様のことを
「泣かないで園に行けるかな^^」
「ランドセルは何色にしたのかな」
などととくにあれこれ思う季節です。

吉本ばななさんの「人生の旅をする3」を
読んで好きだと思った言葉達です。
仕事は人生に伴走してくれる
友達であり、なによりも自分以外の
人のためにだけするものだ。
お金は重要ではない。
仕事をしている自分を見て、
だれかが励まされる。
自分が与えた影響が
だんだん波みたいに伝わって、
遠くできれいに揺れているのを
見るためだけにするものだ。
ですね、きっとそうですね。
いつもばななさんは
うまいこと言うなーです。
感動したこと素敵だと思ったことを
言葉にできる幸せについては
ちょっとくらい気持ちが重くて、
のどで言葉が突っかかっても、
やっぱりいいことは
思っているうちに相手に
どんどん言った方がいいんだな、と思う。
照れがあったり
わかりきったことだからなんて
思わないでいちいち言葉に
することは大切で素敵なことなんですね。
そして一番好きだと思った言葉です。
だれかを好きになるとき、
あるいは遠くのだれかに
想いをはせるとき、私達は
必ず祈りに似た感情を抱く。
金澤syugenの事務所では
新郎新婦OB様達のことを
とてもよく話題にします。
便りのないOB様達のことも。
「どうしておいでるかな^^」と
言葉にする時、私達は
幸せだったらいいな
幸せでありますようにと
祈りの想いをこめているようです。
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| 「ヲトメノイノリ」 | 2018年3月5日 |
石田千さんの小説を初めて読みました。
心地良くゆる~いお話達でした。

小説って自分と違う人生が
経験できる楽しみがあって
時に、自分の人生を投影することがあります。
「うぐいす」は、さよさんが結婚を前に
昔、別れた男性との再会で心が揺れます。
そんな、女性の感傷になんだか
遠い日を思い出したり出さなかったり・・・・・。
表題の「ヲトメのイノリ」は
落語を聞いているようなテンポが
軽快でとても楽しかったです。
70歳を過ぎた女性がピアノで
「乙女の祈り」を弾けるように
なりたいと手習いを始めます。
そのピアノの先生であるぐうたらな
ゆり子さんはやめたい、苦しくなった。
と、悩みます。
「ぜんぜん、何にも弾けないのに、
もうじぶんだけの音楽が、しっかりわかっているの。(略)
幸せそうで、あったかくて、強くて。(略)
毎日毎日、部屋のなかにこころの
きれいな象がみっちり増えてゆくみたい。
ネタバレになるからオチは
かけないけれどゆり子さんも
影響を受けてゆきます。
みんなが応援したくなって
元気になれるそんなお話でした。
沢山、感動しました。
石田千さんこれからチュウモークです。
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| 「嘘」 | 2018年3月1日 |
「嘘」の順番がめぐってきて読了できました。
情景の描写も繊細でやはり村山作品は
好きだなぁと思うのです。
今回、サイキックの要素もありました。
空間を震わせ、それぞれに色や音を持っている。(略)
単なる比喩ではないのだ。(略)
肌触りになどの別によって仕分けしていた。
そういう能力のある人のことは理解できます。
ストーリーは残虐で救いようが
ない場面も度々あって
辛いと感じることが多くありました。
それでも村山作品「星々の舟」の
あとがきで「戦争を題材とした
辛い話をハッピーエンドに
書きたかった」的な発言を
思い出し「きっと」と信じ
希望ある結末であることを祈り
ドキドキしながら読み進めました。
心が弱っていたり妊娠されている時は
読まないほうがいいのかもしれません。
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| 「本を守ろうとする猫の話」 | 2018年2月24日 |
一昨日は猫の日でSNSでも猫話題が
多くて楽しいことでした。
夏川草介さんの「本を守ろうとする猫の話」を
犬好きの友が貸してくださいました。

優しいファンタジーで、主人公の林太郎の
おじいちゃんの言葉が深かったです。
本には力がある。
力のあるたくさんの物語を読めば、
お前はたくさんの心強い友人を得ることになる。
あのお話し好きだったや
心に残るあらすじがあったり
勇気づけられた言葉を記憶している本があります。
本を読むことは、山に登ることに似ている。
ときに一行一行を吟味し、
何度も同じ文章を往復して読み返し、
頭をかかえながらゆっくり進めていく読書もある。
その苦しい作業の結果、ふいに視界が開ける。
どうせ登るなら高い山に登りなさい。絶景が見える。
読む本によって速度がかわって
しっくこないと戻って戻っての読書だけど
あ、良かったんだ、そういうのも。
と、思えました。
猫のトラに「ありがとう」という
シーンではふいに大泣きしました。
私も死んだ猫のモコに逢えたら
「ありがとう」と言いたいなって。
そして、もう一度、あのモフモフの
おデブを抱きしめたいっ。
この物語にでてくるトラは
抱きしめたくなるような
可愛い猫ちゃんではないです。
翡翠の瞳を持つ気難しそうな猫。
表紙のイラストの愛らしい猫とは
イメージ違うんだなぁ。
やはり、紙に印刷された本で読むことが好きです。
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| 「降り積もる光の粒」 | 2018年2月19日 |
角田光代さんの「降り積もる光の粒」は
旅について書かれたエッセイでした。
呑気だったり危なげだったりしながらの
作者の気づきが綴られています。

あ、そのワクワク感わかる!と
感じることも多々ありました。
時に、ほのぼのっと
緩やかに流れる時間が描かれ
叙情的で美しくて夢見心地になれました。
すがすがしいほど開けているからか、
時間の速度も変わったように感じられる。
ゆったり、おおらかに時間は流れはじめる。
私までおおらかな大地を漂っているような気分になれます。
第四章は、ぐっと深刻になり
たくさん泣きました。
マリとインド、パキスタンへ
ボランティアに同行し女性の窮状を
取材する旅の話になります。
文字にすることはとてもとても
おどろおどろしいようなことが
今も発展途上国にはあって
それは、現地の人にとっては
「母もそうだったから」という
意識で流されてしまうのです。
とても衝撃的で重たく受け止めました。
今、開催のオリンピックでも
人種差別や女性差別を受けた選手の
努力はいかばかりだったのかと・・・。
心から応援します。
最終、東日本大震災後の三陸の旅の
話には大きな希望を感じました。
けれど旅を終えたとき、私たちは気づくのだ。
それらが、きらきらと光を
発しながら自身の内に降り積もっているのを。
と、印象的な言葉を残してエッセイは
とじられています。
ぎゅっといい話がつまっていました。
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