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「蜜蜂と遠雷」
2017年12月21日

恩田陸さん「蜜蜂と遠雷」は
直木三十五賞と本屋大賞を受賞作は
図書館の順番待ち(現在426人の予約)が
ハンパないことでしたが貸して下さるかたがいました。



507ページの長編は「読めるのかしら」と
思っていたけれどサラサラ読み進みました。

 

音楽の時間に作曲家の名前は
聞いたことあれど代表的な曲しか知らない
そんな、クラッシック音痴な私にも
情景が浮かんできてわかりやすかったです。
唯一、エリック・サティはCDを聴くけどです。

 

各章ごとに主役がいて
一次、二次、三次予選、本戦と
それぞれのステージでは、
私も心地よく緊張して、
その都度、涙がでました。
高島明石にいたっては一次から
すでに感情移入しすぎて
「ステージで演奏する喜び」にボロ泣きしました。

 

生け花や文字、楽器の演奏には
その人の心根のようなものがうかがい知れますよね
それぞれの個性あるピアノの音が
聴こえてきそうで楽しかったです。

 

亜夜と塵が一緒に演奏していた場面は最高に好きで、

少年の白い指がひらりと舞った。
本当に月光の中に舞い上がった蝶のように。
ドビッシーの月の光。
ああ、本当に綺麗な月。
この曲を聴くと、いつもまざまざと窓の外の夜空が目に浮かぶ。
さえざえとした、しかし柔らかな月光が、
すべての音が消えた世界に降り注ぐさまが見えるような気がする。
しかも、この少年が弾くと、
モノクロームに沈んだカーテンの模様まで見えてくる~
月の光に、巻きこまれる~月光の魔法にかかる~


美しい月を思い描けるようで心地よかったです。

 

出てくる人がみんないい人で、
競争にはとかく付きものの
妬み嫉み僻みがなくって
(あったとしても深くふれていない)穏やかに読めました。

 

読後、亜弥、風間塵、マサル、高島明石、
コンテスタント達の五年後十年後を
知りたいと思いました。

投稿者 rin5chan : 2017年12月21日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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