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「逢魔」
2017年12月25日

来年、仏前結婚式をされるMIKIさんから
クリスマスのお菓子をいただきました。



一個いっこのラッピングも可愛くて感動です☆”
Mさんありがとうございました、サンタさん
アップにしてみましたよ(*^▽^*)。




唯川恵さんの「逢魔」を読みました。



原作は、読んだことがない番町皿屋敷、
四谷怪談、牡丹灯籠、怪猫伝など
怪談のアレンジで
おどろおどろしい怨念や情念が
妖艶に描かれていました。


「源氏物語」は現代訳で読んだことは
あるのですが新感覚にうっとりです。

常に唐衣、裳を着用し、小袿・細長と
いったケの衣でお迎えするようなことは
決していたしませんでした。


と、六条御息所が普段着ではなく
ハレの衣装を纏い光源氏様を
心待ちしている女心がせつないのです。
好きな人には一番きれいな自分を
見せたいという女性の愛らしさですね。


花房観音さんのあとがきでは

たとえ地獄に墜ちてもいいから、
もう一度、恋がしたい、肌に触れたい―
と願わずにはいられない。


なにかゾクゾクするではありませんか( •ॢ◡-ॢ)-♡。


いつも思います。
現実にはできないことが体感できる
だから、読書は楽しいですね♫•*¨*•.¸¸♪✧♪




私自身へのクルスマスプレゼントは
来年の市川海老蔵さんの「源氏物語」のチケットです。



海老蔵さんが光源氏ってはまり役すぎます!

2017年12月25日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「蜜蜂と遠雷」
2017年12月21日

恩田陸さん「蜜蜂と遠雷」は
直木三十五賞と本屋大賞を受賞作は
図書館の順番待ち(現在426人の予約)が
ハンパないことでしたが貸して下さるかたがいました。



507ページの長編は「読めるのかしら」と
思っていたけれどサラサラ読み進みました。

 

音楽の時間に作曲家の名前は
聞いたことあれど代表的な曲しか知らない
そんな、クラッシック音痴な私にも
情景が浮かんできてわかりやすかったです。
唯一、エリック・サティはCDを聴くけどです。

 

各章ごとに主役がいて
一次、二次、三次予選、本戦と
それぞれのステージでは、
私も心地よく緊張して、
その都度、涙がでました。
高島明石にいたっては一次から
すでに感情移入しすぎて
「ステージで演奏する喜び」にボロ泣きしました。

 

生け花や文字、楽器の演奏には
その人の心根のようなものがうかがい知れますよね
それぞれの個性あるピアノの音が
聴こえてきそうで楽しかったです。

 

亜夜と塵が一緒に演奏していた場面は最高に好きで、

少年の白い指がひらりと舞った。
本当に月光の中に舞い上がった蝶のように。
ドビッシーの月の光。
ああ、本当に綺麗な月。
この曲を聴くと、いつもまざまざと窓の外の夜空が目に浮かぶ。
さえざえとした、しかし柔らかな月光が、
すべての音が消えた世界に降り注ぐさまが見えるような気がする。
しかも、この少年が弾くと、
モノクロームに沈んだカーテンの模様まで見えてくる~
月の光に、巻きこまれる~月光の魔法にかかる~


美しい月を思い描けるようで心地よかったです。

 

出てくる人がみんないい人で、
競争にはとかく付きものの
妬み嫉み僻みがなくって
(あったとしても深くふれていない)穏やかに読めました。

 

読後、亜弥、風間塵、マサル、高島明石、
コンテスタント達の五年後十年後を
知りたいと思いました。

2017年12月21日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「よるのふくらみ」
2017年12月14日

窪美澄さんの「よるのふくらみ」読みました。



圭祐と裕太という兄弟と幼馴染のみひろの
三人が順に一人称になる六つの章で
それぞれの心情が語られていきます。


圭祐と裕太がみひろを好きになる。
同性の兄弟は生まれて初めての
ライバルなんだなぁっとしみじみ考えました。
圭祐と裕太は互いへ根強い
コンプレックスを持っています。


ひとつの出来事が圭祐と裕太では
思い出の中で違った出来事になっていて
ライバルを羨んだり
疎ましいと感じたり。


そう考えると圭祐と裕太は
みひろが好きと言うより
ライバルに勝ちたいがゆえに
ライバルが欲しがっているみひろのことを
意地でも欲しかったのじゃないかな。
なんて読み方をするのは私だけでしょうか。


子供の頃に出会った父の愛人への恋心が
圭祐の人格に強く影響したと思うのです。

誰にも遠慮はいらないの。
なんでも言葉にして伝えないと。
どんな小さなことでも。
幸せが逃げてしまうよ。


愛人が彼に言った言葉です。


恋するキモチってのは
どうにもコントロールできないもどかしさがあります。


誰もが恥ずかしくって
みっともない恋の思い出はきっとありますよね。



「ふがいない僕は空を見た」もそうだったけど
窪さんの世界は人間臭くて切なくて好きです。

2017年12月14日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「九十歳。何がめでたい」
2017年12月8日

佐藤愛子さんのベストセラー
「九十歳。何がめでたい」を
貸してくださる方がいて読めました。
(図書館の予約をしたら順番、大変なことです)



10代20代の頃、佐藤さんの
エッセイをよく読んでいたのですが
独特のリズム健在です。
語尾、一遍ごとの着地まとめ方が軽妙で好きです。


北海道の別荘の玄関に捨てられた愛犬ハナの話。

「犬の飛行機賃ナンボ?」
「北狐の出没する荒野に放棄することは
出来ない。チクショウ」

と憤怒
つつと犬を飼いたくはないけれど連れて帰ります。


ご本人は

私は特別にハナを可愛がってはいない。
日々の暮らしのついでに飼っている。


庭に穴を掘ったといっては叱り、
泥足で磨いたばかりの床に
上がったといっては邪険に追い出し、
たまにブラシをかけてやるが、
何ごともやり出すと熱中するたちなので
力まかせにいつまでもかけつづけ、
いやがって逃げようとするのを逃がさずに押さえつけて怒る。

あっはは!大笑い
なんともほのぼのしているじゃありませんか。


ハナは自分の小屋では寝ずに、
私の寝室の外のテラスで毎晩寝ている。(略)
ハナは私を守っているつもりなのだろうか。


ここで、まずぐっときました。


ハナちゃんが亡くなったあと、
邪険にしたと呵責と後悔に悩んでいる時
霊能のある女性から

「ハナちゃん佐藤さんに命を助けてもらったて
本当に感謝していますよ」
と言われどっと涙が溢れた。

と綴られていました。
私も大いに泣きました。
なんとも温かい話で今、かいていて
思い出しても泣けてきます。


ネタバレになってはいけないので
かけないのですが「冷たい飼い主」と
ご本人が呵責と後悔にとらわれていたことこそを
ワンちゃんはとても喜んでいたのです。
幸せな生涯を送ったワンちゃんと言えるでしょう。


年を重ねることは心のひだが増えることと
自分へのエールにもなります。
どうか、百歳になってもかいていただきたい。
佐藤さんの本音トークなエッセイ好きです!

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「愛なんて嘘」
2017年12月2日

白石一文さんの「愛なんて嘘」には
六つの恋愛が描かれています。



「傷痕」は、誰もが羨む男性との
結婚を前にして戸籍のない男のもとへと
逃避行する女性が描かれています。
刺激が勝ったということでしょうか。


「二人のプール」は、再婚して子供もいて
なお元彼と再び暮らす日を夢見ている女性が
ある日、思いが叶い自分の子供も
置いて元彼のもとに行くというお話で
全く共感はできませんでした。
子供より大切な愛があるなんて思えないですから。


しかし、これらが小説の醍醐味です。
自分の人生とまったく価値観の違う
恋愛をお話の中で楽しめるのです。


「星と泥棒」は、テレビドラマに
なったらきっと素敵だろうなと思いました。
大人の恋、主人公は高橋克典さんでどうでしょう。


あ!来年の百万石まつりの利家公役は
高橋さんなのですね。
中二以来、行ったことがありませんが
2018年のお祭りはちょいと気にかかります。

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「野良猫を尊敬した日」
2017年11月23日

穂村弘さんのエッセイ
「野良猫を尊敬した日」を読みました。



猫の話だと思って読み始めたら
ちっとも猫は出てきやしない。
それにしてもおもしろい!
何度、声をあげて笑ったことか!


たいがいの大人ならいちいち
留まって見つめたりしないような
水面下のささいな思いを
言葉にしているとこがすごい。
自虐ネタ満載のダメエッセイは
「あるある」と共感できる系で
親近感持てるのです。
しかも、短歌を詠む人ならではの
独特のリズムある文章が楽しく
各章のオチが最高!


一ページ目は、「天職の世界の人々」

天職に憧れていた。
自分はこれをやるてめに生まれてきたんだ.
心からそう思えるものが見つかったら、
迷いも悩みも吹っ飛ぶに違いない。
また、使命に全力を投入するという喜びの前には、
他の小さな欲望など溶けてなくなってしまうと思う。


から始まります。


穂村さんがアラーキーさんに
スランプはなかったんですかと聞くと

「そんなこと考える隙間がないよ。
朝、写真が撮りたくて目が覚めるんだから」


これあります!私にも。
「今日はナニしよう」と
祝言の演出や花嫁様の小物選び
HPをさわることなどなど
起き立ての頭にわいてきます。
無の状態の時も、夜、寝ている時も
たいがい仕事のことを考えています。


私は、新郎新婦様から「まさに天職」
と、よく言われます。
しかし、「他の小さな欲望など
溶けてなくなってしまう」ということはありません。
美味しいものも食べたいし
お友達にあっておしゃべりもしたいしね。
私ったら、小さな欲望だらけです。


さて、今日は勤労感謝の日ですね。
もともとは、新嘗祭で稲の収穫を
感謝する儀式があったそうです。
お米に感謝しながらごはんいただきま~す。

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「やめるときもすこやかなときも」
2017年11月16日

窪美澄さんの「やめるときも、
すこやかなるときも」は
青春の恋も描かれている小説でした。



壱晴は家具職人です。
伐られた木に命を吹き込むかのような
家具作りへの思いが好きでした。

 

お店や家庭の様々な情報を集め家具を0から作ります。
使う人の思いをくんで
ずっと寄り添える家具を作る行程が
オリジナルウェディングを創作することと
どこか似ていると感じました。
心あたたまるお話でした。

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「羊と鋼の森」
2017年11月9日

表紙がキュートで若い人向けの本かしらんと
手にとった宮下奈都さんの「羊と鋼の森」。
羊と鋼、柔らかいものとかったいもの?



音の表現の仕方が独特なのです。


天才調律師さんとの出会いのシーンで

音の連れてくる景色がはっきり浮かぶ。
一連の作業を終えた今、その景色は、
最初にひいたときに見えた景色より格段に鮮やかになった。


主人公は、ピアノの調律に魅せられます。 


そして、ふたごの姉妹、和音と由仁との出会いで

「玉のようで」
「光のようで森のようで(略)」
音と音が転がって、絡みあって、
きらきらした模様をつくる、和音のピアノ。

ピアノを弾く人の個性を独特の
感性で受け止め表現します。


瑞々しく、爽やかな世界に引き込まれました。

枝先のぽやぽやが、その後一斉に芽吹く若葉が、
美しいものであると同時に、
あたりまえのようにそこにあることに、あらためて驚く。
あたりまえであって、奇跡でもある。
きっと僕がきづいていないだけで、
ありとあらゆるところに美しさは潜んでいる。
あるとき突然、殴られたみたいにそれに気づくのだ。



牧場のある土地に育った主人公は

家畜を貨幣価値に照らして見ている 

羊は何かと漢字に使われていて
「羨」という文字は皿にのった
羊だと覚えたことありましたっけ。


主人公は、才能とは何なのか努力とは
と、深く考えます。

今の段階で必要なのは才能じゃない。(略)
才能という言葉で紛らわせてはいけない。(略)
経験や、訓練や、努力や、知恵、機転、根気、そして情熱。
才能が足りないなら、そういうもので置き換えよう。

これは、調律師に限らずすべての
仕事や趣味にも言えることだと思います。


先輩の柳さんが言います。

「才能っていうのはさ、ものすごく
好きだっていう気持ちなんじゃないか。
どんなことがあってもそこから離れられない
執念とか闘志とか、そういうものと似ている何か。
俺はそう思うことにしているよ。」



毒舌家というか皮肉な物言いをする先輩の秋山さんは

「怖けりゃ必死になるだろ。
全力で腕を磨くだろ。
もう少しその怖さを味わえよ。
怖くて当たり前なんだよ。」


自分の資質を疑いながらも、
運命的な出会いに恵まれ
コツコツとあきらめないで努力する
主人公の姿に感動しました。


もしかしたら、この道で間違っていないのかもしれない。
時間がかかっても、まわり道になっても、
この道を行けばいい。
何もないと思っていた森で、
なんでもないと思っていた風景の中に、
すべてがあったのだと思う。
隠されていたのでさえなく、
ただ見つけられなかっただけだ。

 

最後、結婚式の会場で調律をする
主人公の成長が眩しく
また、空間を創り上げてゆく感じが
私達が祝言に思いをこめて
創作してゆく過程に似ていると感じ
涙が止まらなくなりました。


夢に向かって努力しながらも
迷う経験は誰にもあると思います。
特に若い頃は。
主人公を取り囲む人がみな優しくて
心穏やかに読めました。
お話の中では北海道ならではの自然の描写も好きでした。

2017年11月9日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「月の満ち欠け」
2017年11月1日

佐藤正午さんの「月の満ち欠け」を
夢中で読みました。
美容のために早めの就寝を
心がけているのですが
一気に読みたい!っと夜更かししてまいました。
時間軸を行ったり来たりするから
忘れないうちに時系列をはっきりさせたくてです。



縁(えにし)、前世、命、輪廻転生と言ったことを考えました。

 

月のように欠けてもまた満ちてゆく。
生まれ変わる。
ただ、あなたにまた出会うために――。


月の満ち欠けのように
生まれ変わって好きな人に
会えたらなんて素敵なことでしょう。

 

ファンタジーの純愛ですが
組み立てが頑丈な感じで
また、情景描写が美しく丁寧で
落ち着いた小説でした。

 

強い思いをもって亡くなった人は、
生まれ変わる。
私も前世の記憶はないけれど
既視感みたいの経験があります。

 

佐藤正午作品に注目してゆきたいです☆”

2017年11月1日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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「ハッチとマーロウ」
2017年10月27日

おとぎ話のような青山七恵さんの
「ハッチとマーロウ」を読みました。
舞台は日本の長野なんだけど
独特の感性で風景が描かれていて
北欧の森の中にお家があるのかしらんとか
想像するのも楽しかったです。



森の家に住む軟体動物のように
だらしないダメ人間のお母さんと
お茶目な双子のハッチとマーロウが
登場します。
 

ハッチが個性について考えます。

自分ひとりのなかにも
いろんな個性があるみたいなのに、
自分のものだと思っていた個性も、
べつに自分ひとりだけのものって
きまったわけじゃないのかも・・・・

 
着るものや髪形を変えるだけで
変えられる個性と
芯というか揺るがない個性
その二層があるのではないかと私は思います。


マーロウが時間について言います。

「時間はきまぐれでうそつきなんだよ」
「時間がぴろーって平たくなって、
うどんみたいにのびのびになっちゃったんだもん」


この感じはわかります。
帰り道は早く感じるとか
外で飲んでいる時に比べて
家呑みの時は夜の時間が
だらしなくも穏やかに延びてゆく感じです。
 

双子ちゃん達が自立してゆくことにママは

「さびしくてつらいときにはこういうふうに
思おうって、もう決めてある。(略)
すぐそばにいることだけが、
いっしょに生きるってことじゃないんだって。
同じ家のなかにいなくても、同じ国にいなくても、
どんなに遠くに離れていてもね、
だれかとだれかがいっしょに生きるってことは、
きっとできるんだって」


ママは、子供たちが将来、
巣立ってゆくことに腹をくくっています。


私も親離れよりも子離れのほうが
苦しいものかもしれないと
最近、感じています。
しんみり。。。。。 
 

かって小学生の女子だった人には
懐かしくも共感できる感じが度々あります。
新鮮な文体に刺激受けながらも
ほのぼの読みすすみ
自己確立と言ったことも考えました。


挿絵がとてつもなく懐かしい
田村セツコさんでした!
ご健在でご活躍だそうで
ああ、懐かしいがいっぱいでした♫•*¨*•.¸¸♪✧

2017年10月27日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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