「コンビニたそがれ堂花時計」 | 2020年7月23日 |

村山早紀さんの「コンビニたそがれ堂花時計」は
時を戻したい、もう一度やり直したい
と、願う人々の三つの物語です。
中学生の女の子の友情を描いた
『踏切にて』がいちばん好きでした。
人の心の中には、善だけでなくちょっとした
妬みの感情など悪の部分もあって当然なわけで、
仲良しの二人でさえも互いへの負の感情があり
それに気づいてもいます(ここが賢い!)。
友を大切に思う姿は健気で愛おしく
泣けてしかたなかったです。
ねここさんの着物の柄が桜、金魚、烏瓜と
季節にあわせて変わるのも楽しかったです。
ねここさんが言うように「過去はかえられない」
過去の後悔を未来に向けての糧にしなきゃね
と、思える優しい余韻が残るお話でした。
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金澤syugenは、お急ぎ婚、こぢんまり婚、
フォト婚、家族婚、パパママ婚、カジュアル婚、
家婚式スタイルもお手伝いします。
挙式サポート、ご自宅支度、和装コーディネート、
フォト、オリジナルアイテムのデザインなど
ポイントサポートもご相談ください。
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「アーモンド」 | 2020年7月20日 |

ソンウォンピョンさんの「アーモンド」は
感情を持てないという障害を持った少年ユンジュのお話です。
暴力的なシーンに度々、嫌な気分になったり
ユンジュに恐れの感情もないがゆえの
行動にハラハラもけっこうありました。
終盤「あちゃー!」と声を上げてまいました。
ネタバレになってはいけないから書けないけど
そんな!理不尽な!って感情です。
小説を読んで泣くことや声を立てて笑うことは
あれど、叫ぶは初めてでした。
一章から四章へと主人公の挿絵の背景の色が
明るくなってゆくことで少年の心の成長を表現しているようです。
恋心や友情、大事なものを守りたいという
気持ちはとにかく尊いことで
明るい未来を感じさせる終わり方でした。
追記
ユンジュが映像と小説について思うことです。
映像の中の物語は、ただ撮られて描かれている通りにだけ存在している。
その世界に、僕が変化させられるものは何もないのだ。
本は違う。本は空間だらけだ。
ああ、そうか!私が小説を好きなのは
こういうことか!と思えました。
私が小説を読む時、モノの質感を想像したり
話し方や声質を描いたり
そういうふうに自由に脳内変化させることが
とても好きなようです。
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「まだ温かい鍋を抱いておやすみ」 | 2020年7月17日 |

彩瀬まるさんの「まだ温かい鍋を抱いておやすみ」は
ファンタジーも人情話もあります。
穏やかでありながら人間関係の難しさや厳しさが
描かれていて時にピリリと辛く痛みもあります。
「大きな鍋の歌」は余命わずかな友人に
不器用ながら寄り添う主人公が
友との食の記憶を通し我が人生を見つめ直します。
無骨な男牲なのだけど、友はその気質が心地よいのです。
これ相性ですね、食の記憶が友の最期の時に
幸せをもたらせたこと良かったよかった
と、ボロ泣きしました。
食は命の源で心を育てること。
そして、食をともにすることは
最大のコミニュケーションで
人との関係を築ける素敵な時間です。
コロナ自粛中は
「また、(以前のように)ごはん行こうね」
と、励まし合いながら生活していました。
それが、希望でもありました。
香り立つくらい美味しそうな活字が
胃袋を刺激するので夜の遅い時間に読むのは危険です(*^_^*)
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「稚児桜」 | 2020年7月13日 |

澤田瞳子さんの「稚児桜」は能の演目を
題材にしているということで興味を持ちました。
最初、漢字や知らない言葉が多くて
どうしようって思ったけど
言葉も美しくリズムもしなやかで
平安の時代の情景がふわりと思い描けるようでした。
表題作の「稚児桜」は能の「花月」を
インスパイアとありましたが原作とは
まったく似ても似つかず、稚児・清水寺・
七歳・曲舞・父子の再会と言ったことのみが
共通しているようです。
読後、親に捨てられた子、子を捨てた親
それぞれの胸の内を思いばかり切なくなりました。
嫉妬、恨み、妬み、嫉み、復讐、情念、欺瞞、
うすら寒くなるような終わり方のお話が
多くイヤミス時代小説って感じでもありました。
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「グランドシャトー」 | 2020年7月10日 |

高殿円さんの「グランドシャトー」は
高度経済成長にわく昭和38年から
バブル期をへて平成の終わり頃までの
大阪のキャバレーを舞台にしたコミカルな歴史小説です。
京橋にグランドシャトーというキャバレーは
実在していて私も関西に行った時
何度かコマーシャルを観たことがあります。
2000年代以降も昭和チックな色合いの粗い画像が
際立っていたものだから記憶に残っています。
作中で大阪の町を「大阪らしい大味な風景」の
表現に作者の出身が神戸と知りなるほどで
神戸の人から見た大阪なんですね(*^_^*)。
主人公のルーが慕い続ける
一回り上の真珠ねえさんとの関係がいい。
ねえさんは地蔵さんのように優しい人で
憧れのねえさんに甘える時間が好きなルーは
ねえさんを喜ばせたくって
大好きなねえさんのためにと
斜陽だったキャバレーに賑わいが
もどるようにと奮闘します。
その姿が、おかしくて力強くて
寂しく物哀しさもあるのです。
お地蔵さんにねえさんとの
日常のささやかな幸せに感謝し
手をあわせる時「みんなにもこんな
幸せがきますように」と祈るルーが
健気で愛おしいことでした。
そして、猫がふわっと長屋の路地に
現われる時の比喩にホント、猫って
祠の隙間からあの世と行き来してるのかもね
なんて思いました。
追記
須磨の海岸線ぎりぎりを走る山陽電車や
友の母上の炊いたイカナゴのくぎ煮が
懐かしくよみがえりました。
海岸に沿って車窓から見る景色が
穏やかでとても好きでした。
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「少年と犬」 | 2020年7月7日 |

馳星周さんの「少年と犬」は
「男 と犬」の章から始まり「泥棒」
「夫婦」「娼婦」「老人」「少年」へと
繋がってゆく神秘的なお話でした。
多聞は聡明な犬です。
会うべくして出会う認知症・介護・犯罪・
貧困・家庭不和・堕落・癌・自然災害後の
ptsdなど様々な問題を抱える主人を癒し
そっと「救う」のです。
一章二章が重たく暗く残酷で
嫌な気持ちになり読むのをやめようかなと
思ったりもしました。
ですが、犯罪者達は多聞を「守り神」と敬い
とても優しく愛情をそそぐのです。
最終章、少年を守る多聞に泣けてなけて
ワンちゃんを飼ったことはないけれど
こういう賢く気高いところが確かにあると思います。
少年が多聞の意志を受け継ぎきっと強く
生きてゆけると思える終わり方でした。
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「クスノキの番人」 | 2020年7月2日 |

東野圭吾さんの「クスノキの番人」は優しい奇蹟の物語でした。
新月と満月の夜の神秘的な出来事を通して
そこに関わる人達の人生が垣間見えます。
クスノキの謎がゆっくりと解けていき
それとともに卑屈だった主人公が
堂々とした番人に成長してゆきます。
主人公と叔母の距離感が他人から家族へと
変わってゆく様も心あたたまりました。
また、伯母の経済人としての理念や思考、
決断が潔くかっこ良かったです。
言葉にできない想いを伝えたいという念、
音楽が紡がれて思い人にとどくシーンでは泣けました。
ファンタジー系につき映像化したら
音での表現もあってきっと楽しいだろうなぁ
主人公役は菅田将暉くんがいいなぁなどと考えていました。
図書館の待ちが人が326人とのことで
他の本はおいといてサクサク読みました。
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「女神のサラダ」 | 2020年6月29日 |

瀧羽麻子さんの「女神のサラダ」は
野菜農家さんや酪農家さんのお話が八編です。
オリーブのお話が現代版蝶々夫人かしらんと
せつなくて大泣きしました。
ネタばれになってはいけないからかけませんが
どんでんあります。
こういう大人の恋がわかる年頃(戸籍上は
とっくのとうに大人なんだけどね^^;)に
なったんだなぁ私
と、悦に入りましたね。
最終のお話が小松のトマト農家さんのお話で
小松や金沢が出てくるのですがその方言も
自然にかかれていたから茶の間の会話を
小松ならではの語尾上がりに脳内で再生できました。
「トマトは栽培する人間の個性が出やすい作物」
「人柄を映す」と話す主人公の祖母。
これわかるわかるって思いました。
気だてのいいトマトって作った人の思いが伝わってきます。
この章でそれまでのレタス・茄子・馬鈴薯・
アスパラガス・レモン・チーズ・オリーブ
「美しい一皿」になっているのです。
「素材が命だからね」というシェフの言葉に
私の好きなベジタブルバルを思い出しました。
そのお店のシェフは、どれだけ新鮮な野菜か
愛情こもった野菜かを私のような一般人にも
熱弁してくださいます。
野菜好きさんにはもちろんのこと
穏やかなお話を読みたい時にオススメです。
瀧羽作品は「ありえないほどうるさいオルゴール店」も
あたたかく優しいお話でした。
次作も楽しみにしています。
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「心にいつも猫をかかえて」 | 2020年6月26日 |

村山早紀さんの「心にいつも猫をかかえて」は
ねこ愛いっぱいのエッセイとファンタジー小説です。
ウチの子自慢&ねこあるある満載で
ウチのモコちゃんもそうそう
そんなだったよ、賢い子だったよ、
可愛くてね、甘えっ子でね、
っと、読みながら何度もニヤニヤ
瞳ウルウルとまらずでした。
愛猫がだす超音波はわかります!
我が家のモコがお注射が怖いと
脱走したことあって一晩中泣きながら
探したけど見つからずなことありました。
朝、外に出るとどこからか
空気を震わす音が聞こえて
それはきっと私にだけとどく音で。
たどっていけば植木の中の奥のほうに
びびってうずくまっていたモコちゃん♥
連れて帰ってぎゅうっと抱っこした時の
幸せったらなかったもんね。
あとがきに長崎へのラブレターの
思いを込めてとありましたが
ホント長崎に行きたくなりました!
写真もイラストも可愛いくて
泣けて泣けてしかたなく
読みやすく優しい気持ちになれます。
ねこ好きさん&童話好きさんにオススメです。
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「逢瀬」 | 2020年6月23日 |

石井希尚さんの「逢瀬」は歴史恋愛小説です。
開国時、横浜の港崎遊郭の岩亀楼に
実在したという花魁の喜遊が主人公です。
中居屋重兵衛の銅御殿も実在したそうで
歴史的事実に近い形でかかれているようです。
フィクションですが激動の幕末の世に
誇り高く生きた花魁の秘められた恋が描かれています。
現在の横浜公園の日本庭園には「岩亀楼」と
名の入った石灯籠があるそうです。
さて、私は金沢の旧市内に生まれ
育ったのですがひがし茶屋街のまちなかに
入ったのは大人になってからでした。
遠足では並木町も通るし天神橋も
渡るのですが梅の橋や浅野川の
むこうにあるその一角には親も学校も
連れて行ってはくれませんでした。
にし茶屋街は通りから見るだけの
なにやら怪しげな場所でしたが
最近は、美味しいお店とかもあって訪れます。
その昔の「にしの娼妓街」あたりにいたっては
2年くらい前に初めて歩きました。
廓が観光地になったのはほんの
ここ数十年のことでごくごく最近まで
住み分けがされていたような印象です。
廓の建物の作りにも趣があって
古き時代に思いを馳せながら街並みを歩くのもよしですね。
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