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「極上の罠をあなたに」
2019年11月6日

深木章子さん「極上の罠をあなたに」は
四つのお話が便利屋で繋がっている
背徳のミステリーです。



政治家、医師、刑事、弁護士といった
登場人物が悪人ばかりでこういう裏社会が
あるのかしらん。
罠を掛けたつもりが罠を掛けられます。
便利屋が悪人たちを翻弄し小気味良く
悪事の連鎖が解きほぐされていくのです。
作者がもと弁護士さんということでの
臨場感もあるようです。

 

今回、興味深いのは深木さんの経歴です。
60歳過ぎての小説家デビュー、
それまでの経験を文筆活動にいかされていて
現在72歳で物語に鮮やか仕掛け
なんともかっこいい女性です。

 

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金澤syugenは、衣装コーディネート、
生家ご出立や挙式サポート、フォトプロデュース、
オリジナルアイテムのデザイン、
会場紹介などポイントサポートもいたします。
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「魔法がとけたあとも」
2019年11月1日

奥田亜希子さんの「魔法がとけたあとも」は
病気の不安、容姿のコンプレックス、
家族との諍い、仕事の行きづまり、
人との距離の測り方に迷う、などなど
誰もが抱える日常の中の負の部分が描かれています。



若さや健康や美貌、可愛いかった我が子、
恋するときめき、順調にまわっていた仕事、
それらは、すべてある意味「魔法」であると。
魔法がとけたあとも生きていかなきゃいけないし
あとの時間の方がはるかに長くて辛いわけで。

 

どのお話もほんわかあたたかく
最後は晴れやかな気分になれます。
日常にありがちな悩みを抱える
主人公が一歩前に進む瞬間が描かれています。

 

追記
魔法がとけたあとも魔法の中にいた時の
記憶にはげまされることがあります。
幸せな瞬間の写真は大切ですね。
写真を見返すと宝石のような時間が
よみがえってきますから(*^_^*)。

 

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「ライオンのおやつ」
2019年10月29日

小川糸さんの「ライオンのおやつ」は
死をテーマにしているのですが
ファンタジー感もあってあたたかな気持ちになれる物語でした。



余命宣告を受けた33歳の雫が選んだ
終の住処ホスピス「ライオンの家」は
柑橘の香りがする瀬戸内の海が見える島にあります。

 

「生まれることと死ぬことは背中合わせ」の
くだりが印象的でした。
「入り口は反対側から見たら出口」と。
ああ、なるほど
と、心地良く腑に落ちます。

 

「生きることは、誰かの光になること」
すでに意識が遠のいている車椅子の雫が
大切な人に「別れの悲しみではなく、
美しい海と空と光の記憶」を残してあげたいと
葡萄畑に行くシーンはもう顎先まで水浸しになりました。

 

夕食後、読みだしたら止まらなくなって
最終章手前では、嗚咽になるくらいに泣いて
翌日、目が腫れあがりました。
あと、最期に食べたいおやつは
何かなってあれこれ記憶のカケラを取り出し楽しみました。

 

心を浄化したい時に、繰り返し読みたいものです。
かなりのおすすめです。

 

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「スナック墓場」
2019年10月25日

嶋津輝さん「スナック墓場」は昭和の
懐かしい邦画を彷彿とさせる七つの人情話です。



表題作「スナック墓場」まさに、レトロな
場末のスナックが舞台の切なくなるお話でした。

 

一番好きなのは「駐車場の猫」です。
いつもの地域猫を見かけないと
不安になる主人公の気持ちわかります。
金澤syugenの通勤の道中
いつもの時間にいそうな子がいないと
どうしたのかな
誰かに保護されたのかな。
だったらいいのだけど
などと考えますから。

 

特別なことも起きず、各章は
結末らしくないぼんやりとした結末があって
きっとこんな日常がつづくのだろうなぁと
想像できる平和なお話しでした。

 

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「のっけから失礼します」
2019年10月21日

三浦しをんさんの自虐ネタエッセイ
「のっけから失礼します」は
ノリツッコミも軽快で何度も吹き出しました。



「心を動かされると、文章化したい」
すごくわかります!
私も感動すると稚拙ではありますが
文字にしたくなります。

 

しをんさんは、すごく知的なんだけど
子供みたいに脳内妄想がとまりません。
身近の出来事をいろんな角度から観察していて
日常に「あるかもね」くらいのことも
特別に楽しい出来事にしてくれます。
擬人化や比喩が秀逸で、例えば
オンボロな自転車を「うちのぼうや」と言い
まるでその自転車に意思が
あるたみたいに書かれているのです。

 

心がきれいな人しか見えないインクで
書かれた巻末おまけ、私には見えました!
和歌山アドベンチャーワールドの
楽しさはわかります!
坊主と開演前から順番ついて
1日20組限定だったかの
「パンダ舎バックヤードツアー」と
「イルカとふれあい体験」をゲット!
もてもてパンダの永明パパの勉強もして
ぐうたら感いっぱいのパンダ舎で
リンゴのおやつあげ体験しました。
イルカにイワシをあげてイルカの肌に
触れたらツベツベのゴム長靴の感じでした。
あと、フラミンゴの羽根は高貴な触感で
ペンギン撫でたら手が生臭くなりました。
人間がオリに入ったカタチの車での
サファリツアーでライオンにトングで
生肉あげるのはびびりできず坊主にまかせました。
キリンに歩道橋みたいな高いとこから
エサをあげるのは平和な感じです。
赤ちゃんパンダは、たまらなく
可愛くて5回見に行きましたっけ。

 

閉園までいたので動物や鳥たちが
各お部屋に帰って行くところも
見られました。
飼育員のお姉さんと歩くカピパラと
しばらく一緒でカピパラがトコトコ
先に歩いて違う通路に行きお姉さんに
呼び止められて「あ!間違った」って
顔が可愛いらしいことでした。

 

あと、飛行機が嫌いもわかるわかるでした。

 

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「縁 YUKARI」
2019年10月18日

小野寺史宜さんの「縁」は心がほっこりするような
五つのお話が繋がってゆきます。



笑顔がいいのは強い、泣き顔より笑顔、真顔よりも笑顔。

っていい言葉でした。

 

日常のイラつきや妬みや虚栄心、
人のココロの奥底に潜む闇な部分が
穏やかに描かれていて
嫌な気持ちにならずに受け止められました。

 

読後、最終章で主人公のもとに
靴を直しに来た人って誰だったんだろう?
って、読み返し、ああ、きっと!(*^▽^*)
そんな明るい未来を想像できる
終わり方をするお話は好きです。

 

ほんの少しの幸せが日々の励みになって
人は生きているんだなぁ。
人との縁はどこかで繋がっていて
大切に結んでゆきたいと感じました。

 

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「世話を焼かない四人の女」
2019年10月11日

麻宮ゆり子さんの「世話を焼かない四人の女」は
自分を強く持っている個性的な女性達が
元気に活躍するお仕事小説でした。



第一章では猫ちゃんがいなくなって
車にひかれていないか
いじめらていないか
ヘンなもの食べていないか
寒くないか、などなど一緒に心配しました。

 

この作家さん、初読みでしたが
描写が新鮮なのです。
例えば、日和さんがドイツパンを作るシーンでは
機械から取り出したパン生地を
「ぐにゃりと気を失った美少年のようだ」と言い
生地を寝かせた後は
「生気と艶を増していく」とまるでパン生地を
尊ぶべき命があるように描かれています。


 

空気の読めない斎木くんが全編に登場しますが
必ず水玉アイテムを一点身につけていて
水玉を好きな理由が
「命を表す水のしずく」であって
「規則正しい、幸福の象徴」と言います。
そして、疲れないか?ってくらい
自分自身の決め事をいくつもキチンと毎日守っているのです。

 

斎木くんに限らず適材適所、
それぞれの個性が理解され
発揮できる場所があったらとても
素敵な社会になるのだろうと感じました。

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「平凡」
2019年10月4日

無数の選択から成り立っている人生。
大なり小なり「たられば」を思うことがあると思うのです。



角田光代さんの「平凡」は、もしあの時
別の道を選んでいたらというお話でした。

 

表題作の「平凡」では、ずっと昔に
理不尽な別れたかたをした男性の人生を
「ど平凡であれと呪い続けた」と言う女性。
なんと強烈な!
が、それは「波乱万丈なんかじゃなく
平凡に生きていてほしい」と願いに近い
感情だったというのです。
別れた男性の今の暮らしが穏やかで
あって欲しいと知らず知らず願う女性にうるっときました。

 

むっつの短編集には、妬み、僻み、
恨み、嫉み、見栄、未練と人間味ある感情が
鮮やかに描かれているのですが
重たくもドロドロもしていなくて、
やっぱり今生きている時間が現実なのだ
と、読後感は清々しいものでした。

 

自分がこの選択をして正解だったと
他の誰かの評価じゃなくって
自分自身で思えたらと素晴らしい人生
だったと言うことですかね( •ॢ◡-ॢ)-♡。

 

表紙のデザインが牛乳石鹸の青箱の
猫ちゃん、決して平凡ではないですね。

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「夏の騎士」
2019年9月30日

百田尚樹さん「夏の騎士」は、
共感できるエピソードもいっぱいの
ノスタルジー小説でした。



昭和時代の六年生のひと夏の冒険&
成長が描かれています。
小学生の男の子ってみんな
秘密基地を作りたがるのかな。
我が家の坊主も仲良し三人組で
基地づくりしてましたっけ。

 

友情と恋心のチカラは偉大で
力を合わせて困難を乗り越えていく
姿は清々しいことでした。
気付きで人は成長する
自己啓発本のように心にとめておきたい
言葉がいくつもありました。

 

夏の名残りのよな暑い日に読めて良かった。
セミの啼き声でなく鈴虫の音の
季節ではありましたが。
読後感は爽やかさ残る瑞々しい青春物語でした。

 

子供だけに見えた世界あったんだろうな。
いいお友達に出会えて良かったね。

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「虹にすわる」
2019年9月27日

瀧羽麻子さんの「虹にすわる」は
夕飯後に読み始めスラスラっと一気に読みました。



慎重すぎる真面目な主人公と
感性というかノリで生きている後輩
二人のコンビネーションがつくりだす
日々は、ほほえましくもありました。

 

物づくりが好きな二人が
「座る人にぴったりの椅子」を
作りあげてゆく様子が金澤syugenが
ウェディングを創作する姿勢と
似ているとこがあると感じました。

 

モノづくりをする人のお話しが好きです。
心地いいオーダーメイドの椅子を
作り続けたという二人の夢が叶いますように☆”

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