「フシギ」 | 2021年7月8日 |

真梨幸子さんの「フシギ」はコメディタッチの
ホラーミステリーです。
事故物件、死んだ人から届く夜中のメール、
生霊、呪い、あー、怖いこわい。。。
海外からのウィルス性の風邪がはやり
疫病による差別のくだりはコロナの今の時期
だからこそより身近に想像できたりします。
針山の中身に人毛を詰め込むという話は
普通に聞いたことあったし
人毛アミノ酸醤油は日本でもあったのだと思います。
平成に入ってからある経済情報誌で港に
東南アジアからドラム缶に入った大量の
髪の毛が輸入される写真を見たことが
あって「お醤油の原料になります」という
記事にとても嫌な気分になったものでした。
怖いお話が続いてこういうの読みたく
ないって思いながらとまらなくなり・・・
最終にフシギなトリックが仕掛けられていました。
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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
衣装コーディネート、オリジナルアイテムのデザイン、
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「小説8050」 | 2021年7月5日 |

林真理子さんの「小説8050」は読み始めたら
止まらなくなり夜更かしイッキ読みでした。
酷いいじめを受けていたことから7年もの間
引きこもっている二十歳の息子と
昭和チックで毒親要素もある五十代の父親。
父親が突っ走りがちで有りながらも
我が子のために一生懸命になって
自分は見方でいようって姿勢に涙しました。
父親が「生きていればそれでいい」って
思いにいたるシーンは大いに泣けます。
学校のいじめ問題の隠蔽、矯正施設の闇、
悪徳業者、認知症の親の介護、熟年離婚と
苦難は途方もなくあるのだけど
我が子を見捨てず、我が子を守るために
闘う父親を応援していました。
ラストは家族みなに希望がみえる
読後感の良い小説でした。
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「トコとミコ」 | 2021年7月2日 |

山口恵以子さんの「トコとミコ」は
6歳から96歳になるまでの
二人の女性の絆が描かれています。
大名藩主の娘のトコは姫で、家臣の娘の
ミコは家来、六苑家のお嬢様と使用人の関係です。
六苑家は敗戦後、屋敷はアメリカ軍に接収され
華族制度の廃止により没落してゆきます。
ミコは貪欲に自分の知力で財や名誉を
勝ち取ってゆきます。
戦後は六苑家の家屋敷を接収したGHQの
高官と共同でクラブをオープンさせ成功。
その後、クラブの潮時を見極め屋敷を
結婚式場にしさらにトコを講師として
マナー教室を開きトコをテレビに出演
させるなどプロデユースしてゆくのです。
トコを援助をすることで征服欲を満たし
時にはトコに嫉妬し陥れようともします。
いっぽうトコは恵まれた環境で
育ったことから品良く無欲ですが
人を信じ切る強さがあります。
前田家のお姫様 酒井美意子さんの
エピソードがモデルになっているようです。
物語では石川県の白山の麓で織られる
牛首紬が幾度と仕立て直されカタチをかえ
二人の晩年までも登場します。
時々は妬んだりねじれた感情を持つのが人。
けど、ラストでトコとミコはお互いのことが
大好きだったのだろうって思えて泣けました。
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「品川心中」 | 2021年6月28日 |

坂井希久子さんの「品川心中」はコミカルな時代小説でした。
廓のトップだった花魁のお染さんが
歳をとり(って、たったの25歳!)
贔屓の客がいなくなったことから始まる悲喜劇です。
何も知らされずに妓楼に売られてきた悲哀
厳しい廓の中で学び生き抜いてきた
女性達のプライドやしたたかさ
勝ち気さも描かれています。
世話になった人への恩を忘れない
健気さを持ち続けていたりの
情の深さにホロリとしました。
表紙の絵はきっとお染さんですね。
なんと優美なお姿でしょう。
古典落語の品川心中を題材にしているから
オチはもちろん笑いなのですが
どこか切ないお話でした。
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「片見里荒川コネクション」 | 2021年6月24日 |

小野寺史宜さん「片見里荒川コネクション」は
特別な盛り上がりがある訳じゃないんだけど
心がふわっとあたたまるお話です。
同郷であること以外には接点がなかった
75歳の継男と22歳の海平が出会い
ドラマが生まれちょうど良い距離の
関係になれるのです。
若いから行動力があるわけではなく
高齢者だから緩慢になるわけでもなくて。
物語の終わりには刺激を受けて
未来に向かって歩みを進める感じがいいです。
こんな風に若者と高齢者が自然に
寄り添える優しい世の中がいいなぁと思いました。
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「白鳥とコウモリ」 | 2021年6月21日 |

東野圭吾さんの「白鳥とコウモリ」は
522ページの長編で分厚く飽きずに
読めるのかしらんと思っていたのです。
ですが読み始めたら先が気になって
一晩でどんどん進みました。
タイトルの意になるほどでした。
白鳥とコウモリは並んで飛ぶことありません。
光と影、昼と夜、正義と悪、
対極に存在しているようで実は表裏一体であり
さらに、いとも簡単に思わぬ逆転もあるようです。
読みながら「容疑者Xの献身」を何度も思い出しました。
「容疑者Xの献身」では殺める側の感情を
思い泣けたけど今作は、ただただ嫌悪感で
何かトゲが刺さったままの不快な気持ちで読み終えました。
ほんのちょっとの偶然や誤差で
何人もの人生に大きなずれが生じるものなのですね。
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「インドラネット」 | 2021年6月18日 |

怖い物見たさで読んだ桐野夏生さんの
「インドラネット」はやはりおどろおどろしい内容でした。
怠惰で無気力な暮らしをしていた青年が
日本から逃げるようにカンボジアに行きます。
出会う人、関わる人はみなうさん臭く
怪しい限りの怒涛のストーリーに翻弄されてゆきます。
終盤はどんどんスケールが大きくなってゆき
ドキドキ感も加速します。
時事ネタが織り込まれていて、その端っこの
ほうだけ聞いても怖じ気づくようなことが
見事な描写力で表現されています。
アジアを拠点とした大きな組織の
振り込め詐欺の日本人集団。
読んでいると誰でも詐欺にひっかかるかもで
ちょっとしたことで詐欺をやる側の
末端にもなっちゃうんだとゾクっとしました。
不穏な物には近づかない、心します。
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「神さまのいうとおり」 | 2021年6月15日 |

谷瑞恵さんの「神さまのいうとおり」は
昔の風習を絡めた6つのお話が繋がっています。
生まれた子供を橋の下に捨てる(もちろん
拾う役がいる)や猫の集会、古民家にいる小鬼、
嫁入りの決まり事、刺繍の背縫い、雛人形、
杉玉、疳の虫などなど昔の人の知恵や言い伝え、
おまじないや魔除けの風習は科学的ではないけれど
不思議とどうにかしてくれる、願いを叶えてくれる気がします。
着物の背縫いは魔よけの意味があると言います。
その昔、石川でも加賀刺繍で飾り縫いをする
「背紋飾り」をお守りとして背縫いの無い
子供の着物に付けられていたと聞きました。
庶民の着物に背守として縫い付けた
押絵はアップリケぽくって可愛いのです。
いつの時代にもどの地域でも母親が我が子を思う気持ちは尊いものです。
からまった糸をほぐす様子を人間関係に
例えていたり、あったかくて
各章の結びでほろりときます。
田舎町のゆったりとした空気にも癒されます、オススメです。
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「エレジーは流れない」 | 2021年6月11日 |

三浦しをんさんの「エレジーは流れない」は
寂れた海沿い温泉街で「母親が二人いる」という
環境に育つ少年と彼を取り巻く人々のお話です。
高校生の主人公がとにかくいい子なのです。
生い立ちに疑問を持ちながら反抗もせず
家の店番をし夕食の支度もし弁当も自作。
友人に恵まれ自分の家だけじゃなく
互いの家業のお手伝いにも行き来する。
寝ても寝ても眠たいさかりの年頃で
ともすると遊びに行けば加減がなくなるもの。
が、この主人公は勉強もできるのです。
同級生たちがいい味を出していて
脳筋と思わせておきながら
案外と細やかな思いやりがあったり
穏やかに見えても熱いものを持っていたり。
愉快な仲間たちと悩みながらも
成長してゆく青春小説でした。
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「日向を掬う」 | 2021年6月8日 |

朝倉宏景さんの「日向を掬う」は笑いながらも
度々、涙したユーモラスな家族小説でした。
精子提供という出生の事情に傷つき
自分の存在を否定する中学生の女の子の
頑なな心が、頼りなく甲斐性なしの
残念すぎるダメダメな父親とその周囲の
優しさにほぐされていく過程がなんともいい。
我が子が生まれた時「命がけで守る」
って強く思ったこと覚えています。
なんならお腹に命がやってきた時から
「この子のためなら」って覚悟したものです。
ボウズはたまらなく愛おしい存在で
それまで身体の中になかったような
感情を知ることができて本当に幸せでした。
ボウズが笑っていると我がこと以上に嬉しかったものです。
なかなかうまくお話できずの子が
3歳の頃、寝かしつけていると
「かちゃん(お母さんと言えない)に
キラキラの宝石、買ってあげる」
「どこで?」
「ご飯食べたお店☆”」
ココスのことだね
おかしくて可愛いくって涙が出たなぁ
S音をうまく発することができない
あの頃の言葉の質感まで思い出せます。
誰かを幸せにするために生まれてきた
命の堂々巡り
人は存在することだけで
他の誰かを幸せにできるし
救い救われ生きているっていう
家族の愛に気づかせてくれるお話でした。
読みやすかったから1日で読み切りました。
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