| 「答えは風のなか」 | 2022年1月5日 |
重松清さんの「答えは風のなか」は
10話の短編がすべて最終で結末は知らされない
まさに読者に問いかけながらの〆なのです。

クラスメイトとの関係、命の優先順位、
コロナ禍での理不尽、親族の認知症、
男尊女卑や差別、親戚づきあい、
ヘアドネーション、隣国との関係などなど、
日常的にありがちなことから世界レベルまで
小学生の悩みがほっこり描かれています。
昭和の頃のエモさいっぱいの作品から
コロナをからめた令和背景作品まで
時代も様々です。
かなり深刻なテーマもファンタジーに
仕上げられている作品もありました。
「ケンタの背中」が優しく良いお話で
ポロポロ泣けました。
小学生のキモチも親世代のキモチもわかるから。
ミロコマチコさんの挿絵も可愛くて癒されます。
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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
衣装コーディネート、オリジナルアイテムのデザイン、
和婚式の会場紹介などポイントサポートもご相談ください。
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| 「新しい星」 | 2022年1月2日 |
彩瀬まるさんの新作をずっと楽しみに
追いかけていて今作「新しい星」で7冊目でした。
やはり彩瀬さんの日常の空気感をきりとる
言葉が柔らかく美しくて好きです。

普通の人生を謳歌していた4人の
人生が理不尽に残酷に暗転します。
ある程度の年齢の人だったら4人の経験は
他人事ではないと感じられると思うのです。
なので、4人の家族の気持ちをも思いばかり
時々は読んでいて辛くなりました。
自分自身のことに精一杯でありながらも
互いを思いやり、そして互いを必要としている
4人は、付かず離れず、程よく互いに支え合い
仲間の人生をも愛おしんで生きています。
一人で背負いきれない苦しみがある時には
誰かの力を借りて前に進めることもあるようです。
そのような存在が一人でもいれば生きやすくなりそうです。
テーマは凄く重たいのだけれどそれぞれが
抱える喪失の苦しみから友人の力を借りて
心を再生させてゆく様がとても清々しいことでした。
オススメです。
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| 「傘のさし方がわからない」 | 2021年12月30日 |
岸田奈美さんのエッセイ
「家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった」が
可笑しくて楽しくって好きだったから、続く今作
「傘のさし方がわからない」を楽しみしていました。

表紙は著者と車いすの母上とダウン症の弟くんです。
日常の描写がとにかく克明でおもろい。
ある日、お寿司屋さんでのこと
まずはお店に入った時のワクワク感
いっぱいの実況食レポ中継的な
描写から始まります。
で、そうこうするうちにカウンターで
隣に座っていたずっと年上の人に
失礼なことを言ってしまうのです。
直前に大トロを食ったのがよくなかった。
気が大きくなっていた。
こはだくらいだったらよかった。
って、そんなことある訳ないよー!
と、大笑い(ू•ᴗ•ू❁)
けど、あるのかもね。
とにかくそれがご縁でお仕事に繋がるのです。
世界がひろがったわけなのでやはり
引力ってのはあるようです。
父親の死を認めらず医者が父を助けられなかった
と、物語をつくっていたという話では
岸田さん流に言うとこの爆泣きしました。
そして、仕事のことで心を病んでいる
時期の話は読んでいて本当に辛かったです。
差別は以前に比べ格段に無くなったけれど
「思い込み」が存在すると。
ああ、なるほどです。
悪意のない思い込みが誰かを傷つけることだって
あるかもしれないって考えました。
なるほどと思う話、変てこな話、心が洗われる話、
岸田さんはそんな風に思われたくない
かもだけどやはり立派です。
いい家族で微笑ましいことでした。
ページ番号は、字が書けない弟さんによる
手書きでそれが良きデザインとなっていて
なんとも愛嬌のあるエッセイ本です。
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| 「母ちゃんのフラフープ」 | 2021年12月27日 |
ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが
母上の思い出を綴った自伝
「母ちゃんのフラフープ」は大いに泣けました。

テーマは遺書。
母上は残される家族に心配や迷惑をかけたくなく
お葬式のこと、棺に納めて欲しい物など詳細を
書き記し闘病しながらも断捨離を進め
旅立った後には箪笥に肌着1枚も残っていなかったと。
母上の美学を感じました。
「長い長い反抗期やったね。
やんちゃばかりして⋯⋯」と母上に
言われる42歳の淳さん。
淳さん、いいお嫁さんと結婚が
できてホントに良かった。
家庭をもったことで穏やかになったのだそう。
良き伴侶と添うことの素晴らしさにも触れています。
遺書は死を目前にして書くのではなく
残る人への手紙として、また自分の人生の
振り返りとして早い時期に書くのも
良いのではないかと思えました。
毎年見直して、修正や加筆。
そうすると頭の中も整理できて
前向きに生きる意味を考えられそうです。
お正月にかいてみようと決めました。
ずっと前のブログにもかきましたが
私は棺に金澤syugenのホムペの
Happy Reportをカラー印刷したのを
入れて欲しいと願っています。
素晴らしい祝言をお客様と創り上げる
ことができた最高の人生だったと誇りを
持って旅立てると思うのです(ू•ᴗ•ू❁)
幸せな新郎新婦様の笑顔に囲まれてって
なんと幸せなことでしょう✦
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| 「ミカエルの鼓動」 | 2021年12月24日 |
柚月裕子さんの「ミカエルの鼓動」は病院内の
権力闘争、隠蔽体質、そして医師のプライドが
絡み合う医療サスペンスです。

会話にリアル感がないなぁと読み始めるも
後半は手術の様子の描写が細やかで
すごい取材されたことがうかがえ集中して読み進めました。
貧困ゆえの医療格差に直面し早くして
両親を亡くしている主人公は人命救助を
第一に考える有能な医師です。
医療は信仰で「医師は神であり、患者は信者」と
言う病院長に主人公が「医師と患者は平等だ」
「医師は患者を救いたいと思い、患者は医師を
信頼する。両者の心が向き合ったさきに、
本当の救いがある」と語るシーンは感動しました。
ここ25年くらいで急激にインフォームドコンセントや
セカンドオピニオンという体制がすすんだと思うのです。
患者が病院側に気を遣うことを求められなくなり
高圧的な医師も格段に減ったと感じています。
未来はあたたみのある医療が平等に
受けられる世の中であって欲しいと願います。
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| 「さよならも言えないうちに」 | 2021年12月20日 |
川口俊和さんの「さよならも言えないうちに」は
「コーヒーが冷めないうちに」のシリーズの第四作です。

脳死状態や死別といった妻・恋人・愛犬、父親
そんな愛する人との時間をやり直す四話です。
愛犬への思いの章ではゴールデンレトリーバーは
賢いからこんなこともありそうと泣けました。
父親との話は自身の体験とかぶるものがあり爆泣き。
思春期を思い起こしなんであんなこと・・・・・
と、後悔しきり。。。
あの頃の自分をぶんなぐりにいきたい・・・・・。
過去は絶対に変えられないけれど
後悔を持って悲しい気持ちで
過ごしていた人達が時間をさかのぼって
真実を知ったり
感謝や正直な気持ちを伝えられたことで
前を向いて歩いていけるようになる明るさが好きでした。
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| 「おはようおかえり」 | 2021年12月17日 |
近藤史恵さんの「おはようおかえり」は
曾祖母が主人公の妹に乗り移るという
ファンタジーな家族小説でした。

タイトルは「おはよう」と「おかえり」と思っていたら
「お早うお帰り」(いってらっしゃい)でした。
脳内で話し言葉を関西イントネーションにして読み進めます。
大阪の老舗の和菓子屋さんが舞台で
きんつばやら七宝焼やらを作る工程を
読むと無性に和菓子が食べたくなりました。
曾祖母の手紙を探すミステリアスな雰囲気もあります。
明治の頃「家の為、夫の為、子の為」に生きた
曾祖母の価値観を知ったことで姉妹が
自分たちの将来についてあらためて考えます。
姉妹の成長の様子にあたたかくなれるお話でした。
曾祖母様の明治の女の心意気かっこいいい!
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| 「青空と逃げる」 | 2021年12月14日 |
スキャンダルに巻き込まれた父親が
誰にも真実を知らせねままに失踪。
残された母親と子を悪意あるマスコミや
関係者が容赦なく追ってきます。
辻村深月さんの「青空と逃げる」は逃げ続ける
母と子それぞれの視点から物語が描かれています。

互いが秘密を抱える母と子。
境遇が変わる中で母親を気遣う子どもの姿に
我が子の成長を感じる母
子どもは今まで見ていなかった母の様々な面を知ります。
先々で出会う人たちの優しさとふれあいの
シーンにはほのぼのしたものがあります。
母親が歌をうたうシーンと
人形の修理をするシーンでは泣けました。
誰かに必要とされるって力になるね。
子を守らねばと強くなる母。
そして、母親は実は自分が子を守っていたんじゃ
無くって子に守られていたんだって気づきます。
サスペンスとあたたかい人間ドラマがありました。
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| 「らんたん」 | 2021年12月10日 |
柚木麻子さんの「らんたん」はお札のあの人も
朝の連ドラのあの人も大河のあの人も登場します。

女性の教育の権利と地位の向上のために
努力し次の時代へと繋げた女性達。
その視線の先には、すべての人々に
平等な社会と世界平和という大きな志がありました。
明治、大正、昭和とちょっとづつちょっとづつ
女性の地位が向上してゆくのだけど
世界大戦で大きく後退します。
物語には戦争のむごさや恐怖も描かれています。
ここ20年30年は女性の生きやすさは
飛躍的にアップしました。
この本を読んで多くの人のご努力があって
今の自由があることを感じたのでした。
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| 「闇祓」 | 2021年12月7日 |
辻村深月さん作品は今までもあの世と
この世の行き来だったり時空を超えたりの
ファンタジー小説はあったのだけど
「闇祓」はダークファンタジーでなにせ怖い、震えます。

ホラーは嫌いだと思いつつ先が気になり
早く抜け出したくってすごい勢いで
一気読みしてしまいました。
団地のマウンティングや学校のスクール
カーストはみな嫌な思いをした経験が
あるのではないでしょうか。
さらに、現代はSNSで簡単に人と繋がり
知らずに追いかけられてしまう、そんな
時代の在りようが上手く取り入れられていて
登場人物と一緒に追い詰められリアルな恐怖が迫ってきます。
小さな違和感が気付いたら、支配や洗脳といった
まともじゃない状況になっている様が本当に不気味です。
誰もが持っている闇の感情が
とても巧みに描かれていて
こんな人いると感じたり
いつかの記憶が蘇ってきたり
あと、自分も闇ハラしてたのではないかと考えたりでした。
竹を身につけていたら守られるとあって
金澤syugenは近所に大きな竹藪あるから
きっと、守られているわと安心したりもしました。
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