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「らんたん」
2021年12月10日

柚木麻子さんの「らんたん」はお札のあの人も
朝の連ドラのあの人も大河のあの人も登場します。



女性の教育の権利と地位の向上のために
努力し次の時代へと繋げた女性達。
その視線の先には、すべての人々に
平等な社会と世界平和という大きな志がありました。

 

明治、大正、昭和とちょっとづつちょっとづつ
女性の地位が向上してゆくのだけど
世界大戦で大きく後退します。
物語には戦争のむごさや恐怖も描かれています。

 

ここ20年30年は女性の生きやすさは
飛躍的にアップしました。
この本を読んで多くの人のご努力があって
今の自由があることを感じたのでした。

 

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金澤syugenはオーダーメイドの少人数の結婚式、
生家ご出立、挙式、フォト婚のサポートもいたします。
衣装コーディネート、オリジナルアイテムのデザイン、
和婚式の会場紹介などポイントサポートもご相談ください。
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「闇祓」
2021年12月7日

辻村深月さん作品は今までもあの世と
この世の行き来だったり時空を超えたりの
ファンタジー小説はあったのだけど
「闇祓」はダークファンタジーでなにせ怖い、震えます。



ホラーは嫌いだと思いつつ先が気になり
早く抜け出したくってすごい勢いで
一気読みしてしまいました。

 

団地のマウンティングや学校のスクール
カーストはみな嫌な思いをした経験が
あるのではないでしょうか。
さらに、現代はSNSで簡単に人と繋がり
知らずに追いかけられてしまう、そんな
時代の在りようが上手く取り入れられていて
登場人物と一緒に追い詰められリアルな恐怖が迫ってきます。
小さな違和感が気付いたら、支配や洗脳といった
まともじゃない状況になっている様が本当に不気味です。

 

誰もが持っている闇の感情が
とても巧みに描かれていて
こんな人いると感じたり
いつかの記憶が蘇ってきたり
あと、自分も闇ハラしてたのではないかと考えたりでした。

 

竹を身につけていたら守られるとあって
金澤syugenは近所に大きな竹藪あるから
きっと、守られているわと安心したりもしました。

 

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「赤と青とのエスキース」
2021年12月3日

青山美智子さん作品は数年前に図書館で
表紙の猫に惹かれ偶然、手にとってから
ファンタジー感が好きでずっと追い続けています。
今回の「赤と青とのエスキース」の表紙には
白猫ちゃんが描かれています。



一つの絵画「エスキース」が旅する物語です。
第一章の絵画の誕生
第二章の絵画の結婚(絵が相性の良い額縁に
出会うことを絵と縁の結婚というのだそう)
そして絵画は時代を越えて海を越えて
様々な人々に優しいぬくもりを贈ります。

 

第三章では、かっての弟子の成功を
祝福しながら悔しさも不甲斐なさも
胸の内にあるマンガ家の葛藤があります。
ラストにマンガ家と弟子のお人柄にポロポロ泣けました。
恋愛だけではなく色んな愛が描かれています。

 

第四章に出てくる童話「泣いた赤鬼」は
私が読書で初めて涙したお話です。
赤鬼と青鬼の友情の物語なのだけど
子供心に鬼の純粋さゆえの不器用さと
その結末にとてつもない寂しさを感じ
切なくって悲しくって泣きました。

 

プロローグですべての出会いに意味があり
離れてしまっても心はそばにいたのだと感じられます。
歳月を経て熟成された愛の長い歴史が
チャクンっと静かに繋がって心地よかったです。

 

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「遠慮深いうたた寝」
2021年11月30日

小川洋子さんの「遠慮深いうたた寝」の
装幀には陶磁器のような涼やかさがあります。



時に哲学的に時に叙情的に美しい言葉で
紡がれていて情景を膨らますことがきました。
例えば店じまいする近所の本屋さんにいて
ふいに昔のことを思い出すのです。
入院している息子さんに頼まれた雑誌が
そこにあった時、息子さんの無事が約束された
キモチになったことがあったと。

 

わかるわかるも多々ありです。
「不意に心の中で音楽が聞こえる」
特別に好きな歌でもなく思いもよらないものだそう。
私も外出の支度をしているといきなり
好きでもない往年のアイドルの歌とか出てきて
それは特徴的なとこしか覚えていないから
同じフレーズが脳内でずっとリフレインされます。
普段、聞くわけでもないたいがい懐メロというカテゴリーの歌です。

 

我が子に寝る前に絵本を読み
怖がっても不安になっても
ここに母親がいることで安心して
闇に行ける(眠りにつく)ことが大切ってのもよくわかります。
童話って案外と泣けるお話が多く
「クリスマスキャロル」は何度読んだって泣きました。
そして何度も幸せな気持ちになりました。

 

おちょこちょいさんなエピソードに何度も笑い
ピュアでユーモラスなお人柄がうかがい知れて
心がホカホカあたたまるエッセイでした。

 

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「倒産続きの彼女」
2021年11月27日

新川帆立さんの「倒産続きの彼女」は
企業法務を扱う軽いタッチの弁護士ものです。



株式会社の仕組、企業の倒産の謎、
吸収合併のカラクリ、企業の陰でうごめく
機関投資グループの狡猾さや
非正規雇用に不満を持つ層の姿も描かれています。

 

「元彼の遺言状」の続編で今回は剣持麗子が
サブキャラとなって登場します。
主人公の美馬玉子は育った環境が全く違い
恵まれている麗子を羨み苦手意識を
持っているのだけど成長とともにだんだんと
彼女に惹かれていく感じが良かったです。
勝手な要素で区別し優劣を決めるや
誰かが都合良く序列を作っているという指摘にもハッとしました。

 

読み始めは主人公に全く共感できなかったのが
読んでいくとだんだんと楽しくって応援したくなるお話でした。

 

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「果ての海」
2021年11月24日

花房観音さんの「果ての海」は
福井のにび色の空や、深く重たい雪、
激しい日本海の荒波、そんな情景が主人公の
生き様と絶妙にリンクしています。



愛人男性を殺害し名を変え顔を変えた
主人公は一人娘の身を案じつつも
逃亡しあわら温泉の旅館に住込みで働き
なるべく人と関わらぬように生きてゆこうとします。

 

なんでそこで流されるかなー
男性の誘惑におされがちな
惰性的な主人公に怒りつつも
逃亡を応援したい気持ちになったりでした。

 

最終章、どんでんに泣けました。
ノスタルジックでどこかもの悲しく
冬の東尋坊越前海岸の水仙など
急に寒くなった今の時期に読むと
いっそうの臨場感もあじわえるかもです。

 

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「子のない夫婦とネコ」 
2021年11月21日

群ようこさんの「子のない夫婦とネコ」は
動物に癒し癒されて暮らす人達のほのぼのした短編集です。



普段の猫のしぐさとか細かく描かれていて
「困ったもんだ」も「なんでするかねー」も
もちろんあって読みながら以前、我が家に
猫がいた頃の暮らしを思い出したりして
いっそうほんわか心温まりました。

 

登場する人間達も不器用だったり
いじらしかったりで微笑ましいのです。
著者の「最後まで責任を持って飼う事の大切さ」
というメッセージが随所に幾度もあり
人間のエゴだけでは飼ってはならないと
あらためて思うのでした。
ぁあ、猫にさわりたいなぁ。

 

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「N」
2021年11月18日

道尾秀介さんの「N」は六章の短編を
どの章から読んでもどの章で読み終えても良いのです。
読者が決めるから720通りの物語があります。



本の装丁が面白くて一章ごとに上下逆さまに
なっているのって紙の本ならではの楽しさではないかしらん。

 

短編はどれも完結していながら
見えないところで重なり合い繋がりがあって
確かに読む順番で印象が大きく変わるかと思われます。

 

読む順番で暗い結末を迎える可能性もあるのだけど
私の場合は明るい未来が感じられる章が結末で
読後感爽やかでした。
興味をひっぱられた章から読み進めて
現在から過去、そしてさらなる過去、最終が現代。
で、この順番で間違いなかったと満足しました。

 

同じ本を読んでいるはずなのに自分だけの物語が
できるのって「こんなの初めて」で楽しかったです。

 

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「星を掬う」
2021年11月15日

町田その子さん「星を掬う」は母親を
憎むことでしか今の自分を肯定出来ない
娘の幼稚さと、自由奔放な行動の裏に
隠される母から娘への想いの対比が切ないことでした。



40ページくらいまで、DVの描写も残虐で
読むのやめようかと何度も本を閉じそうになりました。
とにかく主人公が救いようも無く不幸で
さらにスマホだって持っていながら
知ろうとしない無気力さとひねくれた
考え方をするところ好きになれなくてです。

 

DVをうけ続ける主人公が22年前に捨てられた
母親が住む共同生活の家に緊急避難するも
母親は若年性認知症を発症していました。
その家にはそれぞれ過去に深い傷を負い
後悔と苦しみを抱えながら生きている人達が集まっています。
親に捨てられた子供の気持ちや
我が子を捨てざるを得なかった親の気持ちは
いかばかりかと・・・・・・・・・。

 

どんな環境で育ち、生きてきて、理不尽な
出来事に泣いたり悲しんでも、それも
自分の人生と言われれば確かにそうでしょう。
が、毒親やガチャ親という言葉がよぎりました。

 

ラストシーン、娘が母へ贈った言葉に涙がこぼれました。
すべての人達が明るい未來に向かおうとする
終わりかたでホッとしました。

 

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「ブルーダイヤモンド」
2021年11月11日

瀬戸内寂聴さんの訃報をNEWSで知りました。



秋の始まりに読んだ短編集「ブルーダイヤモンド」は
昭和のノスタルジックなエロスがありました。
ですが、言葉選びが美しくて、ちっとも下品ではありません。
33年前は、女性作家が性を語ることは
今よりずっと難しい時代だったことでしょう。

 

以前読んだ「わが性と生」は51歳で
出家した瀬戸内寂聴さんが、出家前の
ご本人である瀬戸内晴美さんと往復書簡形式で
両瀬戸内女史の掛け合いが絶妙でした。
5歳児の頃からおませで怪しい本を
読みあさっていたというエピソードでは笑いました。

 

エッセイで正直に語られる奔放な性は
情熱的で生々しくも人間らしくて好感がもてました。
下世話な話も湿っぽくはならず可愛らしい
文体でほっこりなおもしろ話にできる
センスがあって、きっとチャーミングな
女性だったのだと思います。
ご冥福を心から祈ります。

 

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