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「消えて行く日に」
2018年8月12日

加藤千恵さんの「消えていく日に」は
記念日にまつわる九つのお話の短編集で
揺れ動く女性の心が描かれていました。



「消えていくものたち」がとても好きでした。
主人公はいくつなんだろう
と、はっきりしないけど
東京に路面電車が走っていて
高層ビルがなかった頃に恋をしていたようです。
主人公が喫茶店でハロウィンの日に
携帯電話で写真を撮りあう仮装姿の
若者達に驚きます。
恋をしていた頃を振り返り
あの時に携帯があったらあんなすれ違いは
起こらなかったとか思いを巡らすシーンは
わかるわかるです。
私も携帯のある時代とない時代と両方を
知っていますから。


主人公が過去を振り返って

後悔はいくつも残っているが、
後悔のない毎日だったのなら、
逆にこんなにも楽しめなかったのかもしれない。


いい言葉ですよね。


ネタバレになってはいけないので
核的なことかけないですが
好きな人や家族をいつもそっと気にかけて
見守っている感じにウルウルしました。
盆どきにぴったりなお話だと思いました。


「赤いプレゼント」の一文

つらかった記憶じゃなく、
幸せだった記憶のほうが、ずっと涙腺を刺激する。


別れた男性とのことを思い出す
切ないお話なんですけどね。
何気ない日常の中で起こった
幸せな出来事を思い出が愛おしくて
じんわり涙するってありますよね。


生きていると立ち直れないくらいの
絶望感に襲われることもあります。
ですが、すべてのことはいつも流れているのですよね。
新しい一歩を踏み出す気持ち大切にしたいです。


あと、表紙と裏表紙も好きでした。
パンプス・マニュキュア・フランスパン・
フライパン・ショートケーキとか日常の中に
あるもの達がきっかけで
時々、古い時間に思いをはせます。

投稿者 rin5chan : 2018年8月12日 カテゴリー: 気まま図書館 | コメントはまだありません »

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